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ヴァラナシで感動の再会ならず
旅日記第3部 《インド編》
旅を始めて66日目
現在、インドのヴァラナシにいます。


 ヴァラナシに戻ってきたのは3月28日以来およそ1ヶ月半ぶりになる。ヴァラナシは好きな町だけれど、なぜ再び戻ってきたかというと、ひとつはルート上の関係、もう一つは再会の楽しみを味わいたかったからだ。
 町であった売店やレストランの人たちはどれだけ僕のことを覚えてくれているだろうか? ガンガー(ガンジス川)はあのときと変わらない表情をしているのだろうか? そして、ガンガー沿いでポストカードを配っていた少女、モニとアシャは元気にしているだろうか?


 昨日は深夜1時くらいに眠りにつき、かなり疲れていたはずなのに、最近早起きの習慣がついているせいか、早朝4時には目が覚めてしまった。
 外はまだ暗い。宿の出口は閉まっていて、スタッフを起こすのも気が引ける。仕方ないので屋上にあがり、明るくなっていくガンガーを眺めながら2時間ほどボケーっとして時間をすごした。











屋上ではエテ公が我がもの顔でのさばっていた。


 6時になったのでガンガーに下りると、まだ早朝だというのに多くの人が沐浴していた。観光客用のボートもすでにたくさん浮かんでいる。3月に来た時よりもずいぶんと賑やかなかんじだった。




 ガンガー沿いを歩きながら、ポストカード売りの少女たちを探す。以前の日記にも書いたけれど、僕との別れに涙を流していた少女たちだ。
 5月にまた帰ってくるからと約束し、バッグの中にはネパールで買ってきたお土産と、綺麗に撮れた写真を現像して用意してある。
 元気だといいな。僕との再会をどれだけ喜んでくれるだろうか。そんなことを考えながらメインガードのあたりを何往復もしたけれど、少女たちの姿はいっこうに見つからない。3月に会った時は必ず会えた時間帯なのに……。

 2時間ほどガンガー沿いを歩いてみたけれど見つからず、時間を空けて、お昼と夕方にもガンガー沿いを散歩して探してみたけれど、やっぱり少女たちの姿はなかった。何度か現地人に彼女たちはどうしたか聞いてみようと思ったけれど、どうしても嫌な想像が頭をよぎって、尋ねることができない。

 ――彼女たちの身に何かあったんじゃないだろうか……


 ただ1日をとおして、ポストカードを売っている子供には一人も出会わなかった。3月ここに来た時には全部で10人近くいたはずだ。そういえば、朝は活気のあったガンガーもお昼にはほとんど人がいなくなっていた。
 昼間のガンガーは外に出るのも嫌になるほど気温が上がる。だから涼しい朝方のガンガーがあれだけ賑やかだったのかもしれない。

 後で宿の人に聞いてみると、この時期のヴァラナシはオフシーズにあたり、観光客がかなり減るので観光客目当てで商売をしている人たちは商売ができなくなって故郷に帰ったり、商売替えをしたりするらしい。

 たぶんそうだ。きっとモニもアシャもこの時期は別の場所に移動して元気に暮らしているに違いない。会えなかったのは残念だけど、彼女たちが元気に暮らしていることが一番嬉しい。
 またいつかヴァラナシに来たときに、ひょっこり彼女たちに会えたらいいな。そう思うようにしよう。もしかしたら明日あたり、ひょっこり町中で再会するかもしれないけれど……。


 モニとアシャには会えなかったけれど、何人かの現地人は僕のことをちゃんと覚えてくれていた。
「BABAゲストハウス」の韓国人の奥さん。よく行ったレストランの少年。いつも「ハッパ安い」と言って近づいてきたおっさん……。
 特に2、3回しか物を買っていないのに僕のことを覚えてくれていた売店のおばちゃんには感動させられ、必要なものでその売店に売っているものはこれから全てそこで買うことにした。

 ガンガーも相変わらずのガンガーだった。神聖でもあり、汚くもあり、ことさら特徴があるわけでもないガンガーは、やっぱりヴァラナシの象徴で現地人はみんなガンガーを中心に生活している。
 何年後かにまたヴァラナシを訪れた時も、たぶんここだけは本質的に今と変わっていないような気がしてしまう。ガンジス川があるかぎり。



昼間は人のいなくなったガンガー。
author:tiger, category:インド編, 15:34
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