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カジノ部部長の面目は……。
旅日記第3部 《インド編》
旅を始めて52日目
現在、ネパールのカトマンドゥにいます。


 今日は昨日に引き続きカジノに挑戦。しかし、今日はひとりではない。「ホーリーランド・ゲストハウス」カジノ部(と勝手に命名)のメンバーが午後1時半にホテルのレセプションに集合し、みんなでカジノに乗り込んだ。

 メンバーは総勢5人。昨日偶然の再会を果たした19歳世界一周パッカーのT君、この旅2度目の再会となった世界一周パッカーのH君、これまた学生世界一周パッカーのR君、カトマンドゥ沈没パッカーのY君、なんと5人中4人が世界一周組という顔ぶれだ。

 しかも話を聞くと、なんと僕以外の4人はカジノ初体験だという。これはマズい。こういう時、ただ一人の経験者は初心者にいいところを見せようとしてだいたい負ける。
 日本で競馬初心者を競馬場に連れて行った時、しっかり能書きを垂れておいて惨敗する経験を僕は今までに何度となく経験している。しかも、一緒に行った初心者がビギナーズラックで勝ったりするから面目まる潰れだ。

 今日プレイしたのは昨日ちょい勝ちした「カジノ・アンナ」。まずはカジノに入り、テーブルゲームを見て回る。みんな初心者なので、その雰囲気にいささか緊張しているようだ。とりあえず、一人1000インドルピー(2000円)ずつをチップに替え、ルーレットテーブルの脇で他の客のプレイを見ながらチップの賭け方やゲームの流れを簡単に説明した。
 僕も初めてカジノでテーブルゲームに挑戦したときはかなり緊張した。たぶんみんなもそうだろうと思い、最初にプレイして見せようと思ったのだけれど、席が埋まっていたり、一人しか座っていなかったりでちょうどいいテーブルがない。
 19歳パッカーのT君が最初は電子ゲームのルーレットで練習したいというので、1階のフロアに下りて説明しながら一緒にプレイすることにした。

 電子ゲームのルーレットは目の前のボタンを押しながらチップを賭ける。こちらは自分のペースで賭けられるし、レートもテーブルゲームの半分なので、少し気が楽だ。
 浮き沈みしながら結局トントンの原点で切り上げた僕に対し、T君は手持ちのチップを50枚から倍の100枚まで増やしていった。初心者なのにさすがは19歳の世界一周パッカー、一点賭け(配当36倍)を何度か的中させ500インドルピー(1000円)ほど浮いていた。

 40分ちょっとそこでプレイしていたけれど、2階のフロアからは誰も下りてこない。まだテーブルにつけずにウロウロしているのかと思っていたら、R君が一人、1階フロアに下りてきた。

「負けました……」
「えっ! チップ無くなったの!?」
「はい……」

 テーブルにつけずにウロウロしているかと思いきや、みんなしっかりテーブルにつき、ルーレットでプレイしていたらしい。そして早くも最初の脱落者が……。

「みんなはどうなの?」と聞くと、「ちょい沈みくらいで上でやってますよ」と言うので、ちょうどきりのいいところで換金し、T君とともに急いで2階のフロアにかけあがった。

 H君、Y君はルーレットテーブルについてプレイしていた。チップを見ると、二人とも50枚あったチップが10〜20枚くらい減っていた。それでも勝ったり負けたりしながらカジノを楽しんでいる様子。というか、あまりにしっかり満喫していて驚かされた。
 初カジノに萎縮しているかと思いきや、2人のシートの間に置かれたミニテーブルにはから揚げの盛り合わせとフルーツの盛り合わせ、それに生ビールが置かれている。他の客は食事など頼んでいないというのに、このずうずうしさ。
 小額の張りしかしていないくせに、「タダ」なことをいいことにやりたい放題やっている。さすがは貧乏パッカーだ。
 僕も1階のフロアですでに生中2杯、マルボロ1箱をゲットしているので人のことはいけないのだけれど、普通のカジノ初心者がやることではない。
 
 せっかくなので僕も2人の隣に陣取り、一緒にプレイすることにした。最初は様子を見ながら小額ずつ賭けていったのだけれど、いっこうに当たらない。30分くらいしてようやく3点賭け、4点賭けがちょこちょこ当たるようになり、なんとか原点に復活した。
 そうしている間にも料理は次々と運びこまれている。「ポテトフライ! チャーハン! ビールおかわり!」酒飲みのH君などは生中6杯目、途中からはビール瓶ごと用意され、Y君と二人でビールを注ぎあいながら「おっとっと」なんて言っている。
 完全に居酒屋状態だ。こんなの今まで行ったカジノで一度も見たことがない。

 カジノのスタッフもさすがに気を悪くするだろうと思ったけれど、その逆で、珍しい日本人客に片言の日本語でしゃべりかけ、面白がって相手をしてくれる。しまいには「これはネパールの特別料理です」と言って、頼んでもいないおつまみを出してくれた。
 テーブルは他の客が少しずつ減り、途中からはT君も加わってほとんど日本人テーブルになった。4人分合わせても他の客ひとりの半分の額も賭けていないのに、すっかり場の雰囲気を占領してしまった。まさにやりたい放題だ。

 すっかり居酒屋気分で盛り上がる「ホリーランド」カジノ部。肝心のギャンブルのほうはどうかというと、最初は調子のよかったT君が途中からまったく当たらなくなりチップが尽きて脱落。のこりわずかなところから何度も盛り返して粘っていたH君も飲むのと食うのに集中しすぎて脱落していった。
 残るY君は4点賭けがコンスタントに的中して少し沈みのところでずっと粘り続けている。そしてカジノ部部長の僕はというと……、
 しっかりチップを積み上げ、50枚あったチップを倍くらいまで増やしていた。

 これは中盤に一桁台の数字が続いた時、1点賭けを何度か的中させたからだけれど、まあこれはたまたま。みんなから「さすが経験者」という目で見られるのが申し訳なくもあり、照れくさくもあった。

 3人の脱落者が出て、プレイ時間も3時間をこえたので、しばらく2人でプレイしたあと席を立つことにした。最後にチップが少し減ったけど、Y君は原点から少しマイナス、僕は800インドルピー(1600円)のプラスだった。
 
 旅人にとっては少々痛い金額を失った部員たちも初カジノを体験でき、3時間近くカジノの雰囲気を楽しめた(というより、楽しみすぎた)ので、かなり満足しているようだった。


 カジノを出たのは夕方5時半。いったん宿に戻り、そのままみんなで飯を食いに行くことにした。H君が連れて行ってくれたレストランは、ネパールのお酒「トゥンバ」を出してくれる店だった。
 トゥンバとはクシコビエの実に麹を入れて発酵させたもので、お湯をそそいでクシコビエの実と混ぜ、白いアルコール分がでてきたらストローで吸う。味は日本のにごり酒に似ているだろうか。
 4杯お湯をおかわりして飲んだけど、値段は50ルピー(60円)。そのレストランは酒のつまみもまあまあ安く、久し振りにのんびりくつろぎながら酒が飲めた。

 会計は5人で530ルピー(640円)。カジノで勝ったので僕が500ルピー支払った。たった600円だけど、みんなから感謝されていい気持ち。今日はカジノ部部長の面目も保てたし、美味しい酒も飲めて非常に楽しい一日だった。



ネパールのお酒「トゥンバ」。



author:tiger, category:ネパール編, 14:24
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