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78歳日本人バックパッカー
本を出発してから5日目
ただいま2カ国目
アルゼンチンのメンドサにいます


 今日はせっかくワインの町に来たのでボデガ見学をすることにした。ボデガとは貯蔵庫のことで、一般的にワイナリーのことを言う。

 ブドウ畑やワイン樽、そして何よりも試飲が楽しみに、まずは現地のボデガツアーを探す。
 宿の近くにちょうどいいツアーがあった。30ペソ(1140円)で二つのワイナリーを周り、英語の話せるガイドもつくらしい。今日の午後のツアーに参加できることになった。


街中でよく目にする売店。なんだかすごく楽しそう。

 午後2時半、ホテルで待っていると迎えがくる。ツアー参加者は20人ほど。オーストラリア、オランダ、アメリカ、いろんな国の人がいて、それぞれに楽しい。もちろん日本人は僕一人。国際色豊かなミニバスは陽気なツアーガイドの説明を受けながら郊外へと向かう。

 市内から30分ほどのブドウ畑のなかに目指すボデガはあった。でっかい樽とワインの瓶が適切な湿度と照度のなかで眠っている。

 貯蔵庫もそれなりに楽しめたのだが、それよりも何よりもブドウ畑を見られたことが嬉しかった。いろんな種類のブドウがあたり一面に広がっている。

 なんでもこのエリアは年間の温度差、湿度が世界でも有数のワイン作りに適した土地らしい。また、ミネラルを豊富に含んだアンデスからの雪解け水も美味しいワインを作れる一因になっているという。いくつか成っているブドウをもいで食ってみた。美味い。

 もちろんワインの味も上々。試飲でこんなん飲めていいの? と思うくらい美味かった。調子に乗っておかわりしてると、いい感じで酔っ払った。


とりあえずデカイ


適温適湿。ワインのネグラ。




ブドウがきれい。なんか日本と違う(気がする)。

 バスは移動して次なるボデガへ。ここはメンドサでも歴史のある有名なワイナリーらしい。きれいなお姉さんのガイドを受けていると、横の大男から声をかけられた。

「あなたは日本人ですか?」
「そうですよ」
「英語しゃべれますか? 彼も日本人なのでワインを買うの手伝ってあげてください」

 おおっ! 日本人発見。今回の旅で初めての日本人だ!(山田は除く)
おしゃれな帽子をかぶったその日本人は見た感じ60歳半ばだろうか、僕のツアーとは別の現地ツアー参加者だった。

 実は少し前からその姿を目にしており、気にはなっていた。気にはなっていたのだが、別のツアーだし、その場で日本語をしゃべることもないので、はっきり確認できないでいたのだ。(僕にはどうしても中国人に見えた)

 話を聞くと、彼は東京の日野市に住む畑野さんという男性で、今回は70日間、南米を中心に旅をしているという。で、驚いたことに、なんと78歳。とてもじゃないけど、そうは見えない。せいぜい70歳がいいとこだろう。肌つやもすごくいい。

 そしてその後がまた驚きの連続。なんでも畑野さんは66歳で初めて海外旅行を体験し、これまでの12年間で50以上の国をまわっているという。さらに、なんと昨夜は「首絞め強盗」に遭遇してしまったらしい。

 僕もその名は旅の本などで耳にしたことがあったが、「首絞め強盗」とは、いきなり後ろから首を絞め、身ぐるみを剥ぐ強盗のことだ。中南米あたりで多いらしい。

「ええっ、本当ですか! で、大丈夫だったんですか?」
「いや、大変だったよ。相手は二人でね。夜中の12時過ぎだったかな、後ろから首と腰を同時にもってかれて、身動きできなくされてね。相手は二人ともナイフを持っていたんだけど、これがないと日本に帰れないからね、必死に抵抗したらあきらめてくれたよ。本当にいるんだね、首絞め強盗って」

 うわー。本当にいるんだ。昼間は本当に治安もよくていい町なのにね。僕も気をつけなきゃ。って、そんなこと冷静に話せる話題じゃないでしょ。でもってあなた、78歳でしょ。

 大ハプニングの翌日(厳密には当日)、のんきに昼間からワイン飲んでる78歳日本人。かなわないなあ。


78歳の現役バックパッカー畑野さん。

 畑野さんとは連絡先を交換し、日本で会うことを約束して別れたが、世の中にはすごい人がいるもんだ。インターネットは使えないといっていたけど、旅先の情報は大丈夫なんだろうか。

 ロサンゼルス、ブラジル、アルゼンチンとまわってきた畑野さんは、このあとチリのサンティアゴに行き、そこからペルーのリマを目指すという。
「いや、あと5年くらいはバックパッカーをやりたいですね。楽しくて仕方ないんですよ」
 と、当たり前のように笑顔で話す畑野さん。おみそれしました。

 本当にご無事で。ボンボヤージュ!
author:tiger, category:Arzentina, 14:35
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