RSS | ATOM | SEARCH
メコンアイランドで1年3ヶ月ぶりの再会! 
日本を出発してから335日目
ただいま37カ国目
ベトナムのメコンアイランドにいます


 今日は待ちに待ったメコンデルタツアー初日。1年3ヶ月ぶりにホームステイ先の現地人と再会する日だ。

 朝からワクワクしながら宿を出てツアー会社に向かう。
 今回使ったツアー会社は日本人スタッフもいる「TNKトラベルJAPAN」。去年もお世話になったところで、ツアー代金も安くガイドもとても親切で好感が持てるツアー会社だ。
 同じツアーには日本語ガイドツアーもあったのだけれど、そっちはツアー料金が高く、これまでの旅でもほとんど英語ガイドだったので迷わず英語ガイドツアーを選択した。

 8時に旅行会社の前に集合してバスで移動。このへんは去年とまったく同じ行程だ。ツアーには25人くらい参加していたが、ほとんどが欧米人で日本人は僕とAちゃん(27歳・女性)だけだった。

 Aちゃんは東京で働いていて、今回は短期でベトナム旅行にきているらしい。話を聞くと、今回の旅では着いて早々トラブル続きで、けっこうな被害を被ったのだという。
 被害はけっこうでかくて内心はかなり落ち込んでいたはずなのに、彼女はそんな感じはほとんど見せずに僕と楽しく話してくれた。多分、かなり無理していたと思う。
 でも、せっかく来た久しぶりの海外。なんとか気持ちを切り換えて残りの日程を楽しんでほしい。


 バスは2時間半ほどで船着場に着き、そこからはボートでメコン川を下っていった。
 メコン川は水が茶色く、見た目はアマゾン川に似ているけれど、アマゾン川ほどは濁っていない(それでも十分濁っているけど)。流れはそれほど速くなく、砂や車を運ぶタンカーも行き来していた。






 しばらくすると、小さい中州のような島が見えてきた。島の間の幅の狭い川を上っていくと、マングローブの森に突入する。ここは前回も見ているけれど、背の高いマングローブが両岸にびっしりと繁茂していて、ジャングルクルーズをしているような気分にさせてくれる。
 ポンポンポン……というボートのエンジン音がたまらない。景色と雰囲気に絶妙にマッチしていて、旅の疲れを癒してくれる。
 僕にとってはこれこそが「ベトナム」だ。






 途中、キャンディー工場に立ち寄った。ここではココナッツを使ったキャンディー作りを見学、ハチミツをとる蜂の巣を見たり、大蛇を首に巻いたりして楽しんだ。
 大蛇はよく慣れているので噛み付くことはない。でも重量はかなりあり、触った感じはヘビ皮のハンドバックのようになめらかで冷たかった。


大蛇を首にまいてみる。こういうの、別に平気。


キャンディ工場。お姉さんたちの手先は素早い。


蜂の巣。

 
 さらに15分移動すると、ボートは見覚えのある景色に入っていった。
 間違いない。去年僕が訪れたメコンアイランドだ。

 岸にボートを横付けして島に上がると、記憶が鮮明によみがえってきた。
 この小路を進むと民家があって、ニワトリがいて、犬がいて、子供がいて、お婆ちゃんがいて、娘がいて、青年がいて……。


 嬉しいことに最初にあった民家の女の子は僕のことを覚えてくれていた。

 そこの家ではツアー会社と提携してホームステイ先を提供している。さすがに1年以上前に1日だけ滞在した人間をそうそう覚えてはいないだろう。それからホームステイをしたツアー客はたくさんいたはずだ。
 彼女が僕のことを覚えていてくれたのは僕が日本に帰ってから彼らと一緒に撮った写真に手紙をそえて送っていたからだろう。

 それにしても、すぐに僕をわかってくれたのは嬉しかった。写真を送ったのは1年以上前だし、もちろんここに来ることは全く知らせていなかったので……。

 お互い顔を見合わせて、「アーー!」っと相手を指差した。最初はちょっと不安もあったけど、これで一気にテンションが上がってしまった。
 驚いたことに、みんな僕のことを覚えてくれていた。さすがに当時3歳の子供は覚えていないようだったけれど……。


 ここの民家はツアー客が昼食を食べていく場所になっている。そのためひとつの家族だけでは仕事がおいつかなく、近くに住んでいるその親戚連中もここに手伝いにきている。
 全部合わせると20人くらいいるだろうか。いろんな人間が入れ替わり立ち代り出入りしている。なので誰がどの子供で、誰と誰が兄弟で、誰がどこに住んでいるかなんてことはよくわからない。何人かは別の仕事ももっているようだし……。

 このツアーはこの民家で昼食をとり、ホームステイをする人間だけがここに残って、あとの参加者はその日のうちに別の観光地をまわってホーチミンに帰っていく。
 で、ホームステイした人間は翌日の同じツアーでホーチミンに帰っていく流れになっている(僕の場合は特別に2泊させてもらったけど)。

 今回ホームステイをしたのは僕だけだった。
 前回も僕一人だったけれど、なんでみんなはここでホームステイをしないのだろう。現地の人とも触れ合えるし、自然も満喫できる。のんびりハンモックに揺られて読書しているだけでもここにホームステイする価値はあると思うんだけれど……。
 
 しかも今回は2泊。まる2日のんびりできる。
 昼食を食べ終わると、ツアー客は次の観光ポイントに行ってしまった。Aちゃんともこれでお別れだ。

 残されたのは僕一人。いよいよホームステイのスタートだ。
 うわーっ、テンションあがるなあ。

 とりあえず民家の敷地内を歩いてみんなに挨拶してまわった。
 前回、よく遊んだ少女は3歳から4歳になり、ちょっとお姉さんになっていた。虫取り網をいっちょまえに肩にかついで、僕の腕をひっぱっていく。
 民家のまわりを囲む小さな川を移動しながら、網でタニシを取って嬉しそうに僕に手渡してくれる。ちょっと誇らしげだ。

 ――ここのことは私がよく知っているから、ついてらっしゃい。案内してあげる。
 そんな感じで敷地内を案内してくれた。


1年前はこんな感じだったのに……


これだけ大きくなりました。




 それから、驚いたことに前回のホームステイで僕を一番世話してくれていた女の子に子供ができていた。彼女は独身だったはず……。
 そう、僕のいない1年3ヶ月の間に結婚し、子供まで作っていたのだ。旦那さんは気持ちのいい好青年で、何かあるたびに声をかけてくれ、いつも僕のことを気遣ってくれていた。たぶん彼女から僕のことを聞いていたんだろう。
 でもいったい、彼女はどこでこんないい男を見つけたのだろう? 休みもなく、毎日ここで働いていたはずなのに……。


1年前はこんなかんじだったのが……


結婚して子供まで作ってました。


子供もよく似てる。


旦那とはラブラブだった。


 さらに、去年来たときに一緒に酒を飲んだイケメンの兄ちゃんまで結婚していた。奥さんはこの島の人ではないらしいが、旦那のことをいつも第一に考えているつつましやかな奥さんだ。
 僕もこんな奥さんほしいなあ、そう思わせるような人だった。


イケメン兄ちゃん(左)


奥さんはほんといい女。昔の日本女性みたい。(彼女の子供じゃありません)


 敷地内をとりあえず見終わると、この2組の夫婦と親戚であろう美形の少女と一緒に6人で島の中へ食材探しにいくことになった。
 途中、最近使っていなかったボートの救出作業を行った。ボートは動力のないただの木製ボート。水草の生い茂るなかを無理やりひっぱりだして川まで運ぶ。
 川に出ると、みんなでそのボートに乗り込んで島の周囲をまわっていった。イケメン兄ちゃんは木の棒をオール代わりにして器用に舵をとっている。女性陣は虫取り網を使ってそのへんの木に成っている果物を取り、みんなでそれを齧りながら進んでいく。


でっかい夏ミカンみたいな果物


何かわからんけど美味かった。




昔使ってたボートを川まで移動。


こういうの、ホント楽しい。少年時代にかえったみたいだ。


 舟はキャンディを作っている別の民家に到着した。ここはイケメン兄ちゃんの兄弟の家で、今日はここでみんなで食事をするようだ。メンバーも増え、みんなで食材を集めてまわる。
 木に登ってライチを取ったり、電気の棒を使って魚を取ったり、そのへんを走りまわっているニワトリを捕まえて絞めたり……。すべての食材が当日の現地調達だ。
 女性陣は取ってきた野菜を切ったり、スープを作ったりし、男性陣は魚や鶏をさばいていく。これはかなり美味い夕食をいただけそうだ。


日本のタケノコみたいな植物。この子はすごくしっかり者。


彼女はライチをとりに木に登ったりもする。このへんは日本の女の子とはちょっと違う。


電流をながして魚を捕まえていく。


川エビをゲット!


本日の収穫。


このニワトリ、30分前まで生きていた。


 食事は男と女が別々にとる。先に女性と子供たちが食べたあとで、男性陣は特別におつまみを作って、酒を飲みながらゆっくり食事をする。
 この男性陣のなかには女性は決して入っていかない。常にそうなのかは知らないが、「働く男の聖域」みたいなものがあるのだろう。このあたりは文化なのかもしれない。
 そういえばホーチミンでもそうだったが、ベトナム人女性はタバコを吸わないし、お酒もほとんど飲まない。ちょっと昔の日本に似ている。

 僕は最初に女性陣&子供たちと一緒に食事をし、途中からは男性陣のなかに入って一緒にお酒を飲ませてもらった。
 ここのお酒はバナナから作られたお酒らしく、けっこうきつい。面白いのが飲み方で、小さいグラスに入れられたお酒を最初の人が半分飲み干し、その半分を誰かに渡してその人が残り半分を飲み干していく。これがこちらの「乾杯」らしい。日本でいう「杯を返す」というやつと同じ意味合いだろう。


メコン川の夕日はなぜか郷愁をそそる。


本日の夕食。チキンサラダ風スープ。これをスープの中にいれて食べる。メチャメチャ美味かった。


女性陣&子供のテーブル。


男性陣のテーブル。


 

 酒はけっこうなペースでなくなっていく。ベトナム語のわからない僕もその場の雰囲気を楽しみながら、存分に現地料理とお酒を味わった。みんな本当にいい人ばかりだ。
 今日の夕食は全員で15人くらいいただろうか。普段はここまで集まらないらしいが、今日は僕がきたのでみんなで集まってくれたみたいだ。

 1年3ヶ月ぶりの再会。やはり旅は「人」との「出会い」だ。どんなにすごい遺跡を見ても、どんなにすごい建築物を見ても、こんな幸せな気分にはなれないと思う。
 インド・ネパールにも行きたかったけれど、彼らと再会するために東南アジアを選んで本当によかった。

 お酒がまわって酔っ払いながら、夜中のメコン川をボートに揺られて民家まで帰る。川岸では蛍が木にむらがり、クリスマスツリーのようになっていた。




author:tiger, category:Vietnam, 03:06
-, -, - -