RSS | ATOM | SEARCH
「深夜特急」は旅人志願者のバイブル
日本を出発してから325日目
ただいま35カ国目
香港にいます


 香港3日目。今日は香港島に行ってみることにした。宿から20分ほど歩いてフェリー乗り場に行くと、対岸には高層ビルの立ち並ぶ香港島が見える。


今日の朝飯。



 香港は大陸側と香港島の2つに分かれているのだけれど、香港島の方が近代化されている。「香港島」といえば、沢木耕太郎の「深夜特急」を思い出してしまうのだが、彼が香港島に渡った30年前とはずいぶん変わっているはずだ。

 ちなみに、僕はこの旅で「深夜特急」全6巻(新潮文庫)をバックパックに入れて持ってきていた。この本はバックパッカーのバイブルと言われ、僕も10年まえくらいに読んで感動した記憶がある。
 今回は初バックパッカーの旅なので、せっかくだから旅をしながら、この名著を読み返してみようと思ったわけだ。
 全6巻は旅を始めて3ヶ月くらいで読み終えてしまったのだけれど、再読した感想を言わせてもらうと、

 はっきり言って、あんまり面白くない。

 というのが正直なところだった。面白かったところといえば、1巻の香港・マカオ編と3巻のインドのブッダガヤくらい。
 この紀行文のメインはマカオのカジノで大小をやっているときに「自分は金が無くなるか、嫌になるまで賭けつづけよう」と自白していた箇所だと思う。

 昔読んだときは本当に面白かったのになあ……。

 そう思いながら考えてみると、この「深夜特急」は旅人のバイブルではなく、旅人に憧れた旅人志願者のバイブルなのではないかと思えてきた。
「旅」というものに憧れを持つ人は多い。でも、実際に自分で旅をしてみると、それほどだいそれたことではないことが分かる。

 旅に出る前は「沢木耕太郎はすごいなあ」と思っていたけれど、自分が旅に出てみると、「なんだ、俺でもやろうと思えばできるじゃん」という感じになってしまうのだ(実際には無理かもしれないけれど)。
 たしかに彼が旅に出た30年前は今とは環境も状況もまったく違う。それ自体はたいしたことだと思うのだけれど、自分には絶対に無理かいうと、そうでもないように思えてくる。
 実際、彼よりもすごい旅をしている人はいくらでもいる。それでも「深夜特急」がすごいのは、その旅をあの形でまとめあげた沢木耕太郎の筆力だろう。
 彼は僕が一番尊敬するノンフィクション作家だ。最近はあまり惹かれる作品は出ていないけれど、彼はスポーツノンフィクションもすごいので、興味のある人は是非読んでいただきたい。

 というわけで、話はそれてしまったけれど、30年前に彼の行った香港島に行ってみることにした。
 フェリー代金は1・7香港ドル(25円)。景色を楽しむ時間もごくわずか、たった10分で香港島に到着した。





 まずバスに乗って向かった場所は「SOGO」。管理人さんから、ここの書店には日本語ガイドブックがたくさんあると聞いていたからだ。

 SOGOまでのバスからみえる町並みは、まさに近代化された香港だった。町の中心にはトラムが走り、両サイドには高層ビルが立ち並ぶ。SOGOは日本のものと寸分違わず、まるで日本にいるような感覚にさせられた。








デモをしてた。

 あいにくお目当てのガイドブックはなく(値段も日本の1・5倍するので、どちみち買わなかったけど)、そこからトラムで商店街のほうに移動したのだけれど、あまりに何でもあるので、これまで物不足のアフリカにいた自分としては不思議な感じだった。
 露店街で少し買い物をして、あとはぶらぶら街を歩くと、4時間ほどの滞在で大陸側に戻った。







 香港島の沿岸は今でも埋め立て工事がさかんで、このままではいつの日か本土と島がひっついてしまうのではないかと思わせられるほど。この島はどこまで近代化していくのだろう。
 大陸側に戻ると腹が減ったので、ショッピングモールの地下のレストラン街で日本食を久しぶりに食った。

 メニューも日本語表示。本当はせっかくここまで我慢したんだから、日本食は日本に帰るまでは食わないで楽しみにとっておこうと思っていたのだけれど、

「九州ラーメン、ミニカレー付、コーラ付。32香港ドル(480円)」

 のディスプレイを見て、すっかり心がときめいてしまった。
 迷うことなくカウンターでチケットを買い、あっという間に完食。味はというと、たいしたことはなかったが、それでも久しぶりの日本の味に満足できた。






 宿のドミトリーに戻ると、中国で1年半暮らしていたという日本人が入っていた。来年1年中国で暮らす予定だと話し、色々話を聞いたのだけれど、

「中国人は人間の皮をかぶったゴキブリですよ」

 と言われて、少しショックを受けてしまった。1年半現地に住んだ人間がいうこの言葉。人それぞれだとは思うけど、大丈夫だろうか……。


今日の晩飯。
 
author:tiger, category:Hong Kong, 16:10
-, -, - -