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旅と仕事
日本を出発してから258日目
ただいま25カ国目
チェコのチェスキー・クルムロフにいます


 今日からの1週分のブログはちょっと書くのを後回しにしていた。理由はいろいろあるのだけれど、ちょっと考えさせられた1週間だった。後回しになっただけで、ブログの内容にさほど変化はないけれど……。

 今日は別れの日だった。ミュンヘンのビール祭りで一緒だったジン君、T君と宿で別れ、バスターミナルではこの地で会ったY君、3ヶ月間一緒に旅をしたヒロシ君と別れた。
 旅をしていれば、いつも別れはつきまとうが、それを寂しがってばかりはいられない。旅をしていればどこかで別れなければならないし、別れのあとにはまた新しい出会いがまっている。
 最近は別れの際にもあまり寂しいという感情がわかなくなった。これは冷たいとかいうことではないと思う。お互いの旅の無事を祈り、笑って別れる。相手と自分に通じるものがあれば、その人のことは忘れないだろうし、きっとどこかで再会できるはずだ。

 でも今回は3ヶ月間会ったり別れたりを繰り返してきたヒロシ君との別れ。さすがに多少センチになると思っていたが、まったく悲しくならなかった自分がいてちょっと笑えた。彼とはまた絶対に会える。そういう安心感と、次ぎに会うときのワクワク感がそうさせたのかもしれない。

 ヒロシ君を見送ったあと、そのバスターミナルからバスに乗って次の町に移動した。目指すはチェスキー・クルムロフだ。
 この町は旅をする前は全然知らなかったのだけれど、旅人の間で人気が高い。行こうかどうしようか迷っていたのだけれど、昨日一緒にバレエを見に行ったNもその町に行くというので、それなら一緒にいこうということになったのだ。

 プラハからチェスキーまではバスで3時間半、172コルナ(860円)だった。1時半に到着して、まずは宿さがし。宿はNが知っていた「ホステル・ポステル」という宿に決めた。料金は4人部屋を2人で使って1人300コルナ(1500円)。宿自体がすごくよかったことと、チェスキーの町並みを考えれば、これはかなりお得だと思う。








「ホステル・ポステル」。宿のお姉さんはすごくいいかんじ。

 2人ともこの町では1泊だけして次はオーストリアのウィーンに移動する予定だった。けれど、宿探しをしている間にもう1泊しようと決めてしまった。それほどチェスキー・クルムロフは歩いているだけで気持ちのいい町であり、ちょっとのんびりしたいなあと思わせる町だった。

 荷物を置いてさっそく町を歩く。チェスキー・クルムロフの町はこぢんまりしている。まるでミニチュアセットで作られたように町全体に無駄が無いのだ。町のどこを歩いていてもすべてが絵になるからカメラを離す暇が無い。どこかを目指して歩くというよりも、町に見とれながら適当に歩いているとその場所についてしまっているという感じだ。









 それを繰り返していると、いつのまにか町をぐるっと一周してしまう。町が小さいので同じところを何度も通る。2度目にまわったときはその印象も景色もちょっと変わって見えてくる。2度目はカメラもポケットに入れてその景色を堪能できる。うーん、いいことづくめだ。
 さらにこの町のよいところは町全体をヴルタヴァ川が囲むように流れているところだ。水の音を聴いていると、なぜか落ち着く。大河川でないので、すぐ川べりにいって水音を聴けるのがいい。橋の欄干に頬杖をついてボケーっと景色を眺めているのもいい。何も考えずに川べりをのんびり歩くのもいい。

 町の中ではチェスキー・クルムロフ城が大のお気に入りになった。歩いてすぐの場所にあるので昼間と夜の2回訪れたのだけれど、町全体を見渡すと赤い屋根の家々と周囲を流れる川がいいかんじでマッチしていて、ずっと見ていても飽きるということがない。城の裏側にある庭園も心をなごませてくれる。


チェスキー・クルムロフ城


城からの眺め

 町並みということではクロアチアのドブロブニクに似ているかもしれない。あそこも赤瓦の町並みとアドリア海がいい具合に調和しいたが、町の規模やドブロブニクがあまりに観光地化されてしまっていたことなどから考えると、個人的にはチェスキーの方が好きな町だ。
 夜中に見たチェスキーの夜景は明かりがすくなく、ちょっと寂しくはあったけれど、静寂のなかに川音だけが聴こえてきて、それはそれで田舎の町らしくていい気持ちにさせてくれた。





 夕食は川べりのレストランでちょっと豪華なディナーをとった。こういう場所でおいしいものを食べるというのは、それ自体が観光みたいなものだと思う。あんまりケチケチしていたら心まで貧しくなってしまいそうだ。楽しいときには思いっきり楽しまなくちゃもったいないしね。




 話しはかわるが、今回一緒に旅をしているNは今まで会った旅人とはちょっと違う。仕事をやめて1ヶ月間ヨーロッパを旅しているのだけれど、旅をするために仕事をやめたのではなくて、仕事をやめたので旅に出てきたらしい。
 仕事をすることは大好きだという。いろいろあって仕事をやめなくてはいけなくなったのだけれど、「日本に帰ったらもっと仕事をがんばりたい、自分は仕事がすきだから」迷うことなくそう言っている。

 長期旅行者のなかにどっぷり浸かって旅していると、旅をすることが正義みたいな感覚に陥ってしまう。
 みんな旅好きなので、「今度は○○に行ってみたい」「旅というのはすばらしい」「日本に帰って仕事をすることを考えると嫌になってくる」、そんな会話で盛り上がり、気がつくと自分もすっかりそういう空気に入り込んでしまっていた。
「1年で世界を見るなんてことできるはずがない。また時間をとって旅に出たい」最近はそんなことを言うようになっていた。
 
 旅は確かに楽しい。貴重な経験もたくさんできる。この経験は旅でしかできないかけがえのないものだと思う。でも、旅をすることだけが全てで・
author:tiger, category:Czech, 00:16
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