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旅と読書
日本を出発してから162日目
ただいま12カ国目
スペインのバルセロナにいます


 今日も昨日同様、とりあえずやることがない。せっかくきたんだからとにかく色々なところをまわらなくてはという観光欲求も最近はなくなった。

 というわけで、今日は市内をとりあえず「散歩」してみた。目的地もない、本当にただの「散歩」。港のほうにいったり、大通りを歩いたり、土産物屋を物色したり……。
 バルセロナの街は他の地方都市とくらべると観光客も多く、すべてにおいて物価が高い。ただでさえユーロがバカ高いので、レストランにも入れないし、屋台などないから食べ物屋街を歩いていてもテンションがあがってこない。
 土産物も値段的に買えるものがないので同様だ。やっぱり何か一つでもいいから、「これを買う」という目的がないと店まわりもつまらなくなってしまう。掘り出し物をたまたま見つけたところで買うこともできないしね。

 5時間ばかり散歩したあとでスーパーに寄り、宿に帰った。物価の高いここバルセロナにあっても、なぜか酒だけは安い。ビール1リットルが1・2ユーロ(190円)。ワインのボトルが0・47ユーロ(80円)という安さだった。

 赤ワインを1本購入し、宿の部屋で久しぶりにのんびりと読書をしてみた。
 今回の旅では「ゆっくり好きな本を読む」というのも一つの目的だった。
 編集の仕事をしていたことで、日本にいるときはどうしても仕事関係の本を読むことが多かった。時間の関係でナナメ読みをしなければならなかったり、まったく興味のない本や持ち込み原稿のつたない文章も無理やり読まなければならなかったので好きな読書が苦痛もともなうことも多々あった。

 たまに自分の好きな本を読むときも、どうしても職業柄、読みながら編集にケチをつけたり、校正しながら読んでしまう。今回の旅ではそういう仕事のことは一切忘れて、好きな本をただのんびりと読もうと思っていた。
 日本から持ってきた本は十数冊。文庫本が多いとはいえ、けっこうな量と重さだ。最初は「2ヶ月もあれば読みきってしまうだろう、どうせ読んだ本は捨てていくんだから大丈夫でしょ」とたかをくくっていたのだけれど、それが一向に進まない。

 昔のブログでも書いたけれど、旅はけっこう忙しい。安くて安全で立地のよい宿を探し、航空券やバス、列車のチケットを入手し、その国の情報を入手して観光地をチェックする。洗濯をし、日本語の読めるネット屋を探してメールをチェックし、食材や足りなくなった日用品もそろえなければならない。
 旅自体がけっこう急ぎ足なので、1日のんびりという日もなかなかないし、あったとしても、溜まっている日記やブログに時間を使ってしまう。
 さらに、僕自身が話し好きということもあって、日本人宿や日本人といるときは一緒になって夜遅くまで話をしてしまう。たまに暇ができても、散歩にでかけたり、昼寝をしたり、音楽を聴いたり……。
 無理やり読書をしようと思えばできないこともないのだけれど、ついつい面倒くさくなって、バックパックの一番したのほうで本が眠っている状態なのだ。

 現在、本は3冊まで減った。ここまでくると、だいぶ荷物も軽くなり、負担は減るので、ちょっと読むのがもったいなくもなってくるのだけれど、なくなったらなくなったで、誰が日本人パッカーに読んだ本をもらえばいい。そうすることで普段読まないような本を読めるのもいいかもしれない。

 今日読んだ本はあさのあつこの「バッテリーV」。映画化も決定した作品で、中学の野球部に所属する投手と捕手(つまりバッテリー)の2人を中心にした青春小説だ。この手の軽い小説は日本にいる最後のほうで好きになり、よく読んでいたのだけれど、出発前に第5巻が発売されたのでもってきていた。
 80円で買ったワインを飲みながらページをめくる。80円にしてはなかなかの味だ。読み進めていくうちにこれまでのストーリーも思い出して楽しくなってきた。一度つぼに入ってしまうと周りの全てのことが気にならなくなってくる。ワインのペースとともにページをめくるスピードもあがり、その日のうちに読み終えてしまった。(読み終わるころにはワインのボトルも空になっていた)

 それでも読んでいる間に誤植(漢字やことばの間違った使い方)を何箇所か見つけてしまった。どうしても気になってしょうがない。仕事のことは一切忘れて読みたかったのだけれど、この癖はもう、一生抜けないかもしれないなあ。


author:tiger, category:Spain, 06:25
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