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キューバという国の魅力
日本を出発してから101日目
ただいま9カ国目
キューバのハバナにいます


 今日はいよいよキューバに渡る。キューバはこの旅初の社会主義国。アメリカに経済制裁を受けており、プロチームがないにもかかわらず野球がメチャ強い。

 去年開催された野球のワールドカップ、WBCでは日本についでキューバは2位だった。アメリカは野球を世界に広めようというこの大会で、キューバに2位の賞金を出さなかった。経済制裁をくわえているというのがその理由だが、国同士の個人的なしがらみをスポーツの世界に持ち込むとは最低だ。リーダーシップをとらないといけない国がお山の大将だから情けない。ほんとうにアメリカはケツの穴の小さい国だ。
 キューバはそれでも、「自分たちはお金のためにこの大会に出たのではない、自分たちの国の誇りのために戦ったのだ」と国家全体で準優勝に歓喜したという。なかなかかっこいい国だ。
 国民は革命の士カストロとゲバラを崇拝しており、治安は意外にもカリブで1番いいらしい。カストロもまだなんとか生きているみたいだし、これまで通ってきた国とはひと味もふた味も違う雰囲気をもってそうでかなり楽しみだ。

 しかも今回は心強い相棒がいる。少し前にキューバに3週間滞在していたMちゃんだ。彼女は僕にサルサを教えてくれた師匠であり、あまりにキューバを気に入って、この旅2度目のキューバ行に向かうのだという。
 海外経験豊富なMちゃんをここまで魅了するキューバとはいかなる国なのだろうか。期待は膨らむ。
 
 午後2時、ハバナ空港に到着。まずは両替をする。
 キューバには2種類の通貨があり、現地人用の人民ペソと観光客用のクックがある。
 1クック(150円)は24人民ペソで、クックばかり使っているとすぐ金がなくなってしまうので、貧乏バックパッカーはいかにして人民ペソで生活するかがポイントになってくる。
 まず、あらかじめ用意しておいた換金率のよいユーロをクックに換え、さらにクックの一部を人民ペソに両替する。
 空港で両替をすませると、すぐに最初の難関がまちかまえている。空港からセントロまでの移動だ。普通、観光客はタクシーを利用するのだけれど、それがだいたい15クック(2250円)とべらぼうに高い。2人で割れば半額になるけれど、それでも高い。ここはひとつ、生まれて初めてのヒッチハイクに挑戦してみることにした。

 キューバにはヒッチハイクの文化があるらしい。空港を出て歩きながら、荷台のある手ごろな車を探すのだが、なかなか思い切って合図を送れない。何度か手をこまねいていたものの、しばらくしてつかまえたトラックは運転手がとてもいい人で、行き先を告げると荷台を指差して乗れという合図を送ってくれた。
 初ヒッチ成功だ。荷台に乗ってはみたものの、本当にちゃんと伝えた場所まで送ってくれるか不安が募る。15分ほど走ったあと、「あとはこの道をまっすぐ行けばセントロにつくよ」と教えてくれて車を止めてくれた。どうやら道も間違っていないようだ。チップも要求されなかったし、初ヒッチの運転手がとても親切な人で助かった。

 とりあえずセントロまでの道のりを半分進んだ。初ヒッチに気分をよくして、次なるヒッチを試みる。今度は軽トラックをつかまえた。荷台にのってしばらく進んだが、どうも方向がおかしい。あわてて運転手に伝えると、どうやらこちらが言った行き先がちゃんと伝わっていなかったらしい。それでも親切に乗った場所まで引き返してくれた。

 さらにヒッチを試みようとすると、少し前に自転車で通ったおじさんが、こちらに引き返してきて、「どうしたんだい?」と尋ねてきた。セントロに行きたいのでヒッチをしていると伝えると、「それなら、今ちょうど向こうからバスがくるからそれに乗ればいい」と教えてくれた。
 キューバに入国してわずかの間で親切な人にたくさん出会った。たまたまなのか、みんな親切なのかわからないけど、とりあえずかなり好印象の国だ。
 
 慌ててそのバスに乗り込む。このバスは通称「ラクダバス」と呼ばれているバスで、縦に長い車体の中ほどが凹んでいて前後がラクダのコブみたいになっている。観光客はほとんど使わないバスで、地元の人ばかり乗っている。車体はボロボロ、人はいっぱい、ぎゅうぎゅうに押されながら周囲を観察してみた。
 これは面白い。白人も黒人も混血も入り混じっていて、なかには真っ黒な肌なのに目が青かったり、混血なんだけど顔が中国人ぽかったり、本当にいろんな人が乗っている。それを見ているだけで楽しくなった。

 30分ほどラクダバスに乗るとセントロに到着した。キャピタリオ(旧国会議事堂)まで行き、Mちゃんが以前泊まった宿を探す。キューバの宿はホテルの他に「カサパルティクラル」という宿泊可能な民家があって、そこが1番宿代が安い。
 宿に行く途中、キャピタリオの周りでは、たくさんの子供たちが野球をやったり、チャリンコに乗ったり、カポエラをしたりして遊んでいた。そこで目を瞠ったのは、そのメンバーが黒人、白人、混血と入り乱れていることだ。
 皆楽しそうに一緒に遊んでいる。「それが当たり前な国がキューバ」だとMちゃんが教えてくれた。たしかに凄い。しかもみんな目が生き生きしている。
 こちらを意識してちょっとはずかしがりながら、思い思いのポーズをとって、こちらにアピールしている。
 子供はどこの国でもかわいいけれど、これだけ生き生きした目の子供にはなかなかお目にかかれない。キューバ、恐るべし。











 もう一つ、キューバの町を歩いて気づいたのは、建物の古さ。建て替えないのか、それとも建て替えられないのかわからないが(たぶん後者)、ほとんどの建物が昔のままの造りをしている。壁などは黒くススがかかっており、ボロボロなものも多いが、それをそのまま使って生活しているようだ。
 カメラをどこに向けても絵になる国キューバ。建物も人も町並みもかっこいい。あっというまにキューバの虜になってしまった。






キャピタリオ(旧国会議事堂)

 ほどなく宿が見つかった。チャイムを鳴らすと主人が出てきて、Mちゃんのことを覚えていていたらしい。親しげに話して宿の中に入れてくれた。一晩20クック(3000円)、一人あたり10クック(1500円)だ。ハバナは物価が高いので、まあまあの宿がとれた。
 今日はかなり刺激的な1日だった。初キューバに初ヒッチ、ラクダバスにも乗ることができたし、キューバの人にもキューバの町並みにも触れる事ができて、その在りように衝撃を受けた。これからのキューバが楽しみで仕方がなくなった。

author:tiger, category:Cuba, 16:10
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