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最後の訪問地・マドリッドを観光

ヨーロッパ旅 29日目
ただいま、10カ国目
スペインのマドリッドにいます



夜行バスがマドリッドに到着したのは午前7時半だった。
昨日の日中、ずっと歩きっぱなしだったこともあって、夜行バスではいつもどおりぐっすり眠れた。前日空港泊したSも熟睡できたようだ。

バスターミナルからは地下鉄が出ている。
マドリッドではSと同じ宿をネット予約しておいたので、地下鉄を乗り継いで宿の最寄り駅・プラザ・デ・エスパーニャに到着した。



マドリッドの地下鉄



宿の前の公園



マドリッドの街並み。バルセロナとは違ってさっぱりした感じ。


予約した宿はすぐに見つかった。
宿の前にバックパックを持った欧米人が何人かいたのですぐに分かった。
たぶん僕らと同じように今日の朝、マドリッドに到着したのだろう。





今回宿泊する宿は「hostal  arti 供廖
受付には無愛想なオヤジが座っていて、チェックインしようとすると、「12時からだ」とそっけなく言われた。

予約している部屋が今空いているかを調べようともしてくれない。
まあ、仕方ない。
荷物を預けて観光に出かけようとすると、「荷物は預かれない」とまたもや無愛想に言われた。
何を言っても「ノー」とだけ言っていっこうに相手にしてくれない。
この旅最後の宿泊ホステルにして、最悪の管理人と出会ってしまった。


明日の朝にはマドリッド空港から日本行きの飛行機に乗らなければならない。
マドリッドを観光できるのは今日しかないのに、荷物も預かってもらえないとは。
とりあえず作戦を立てようということで、荷物を持ったまま近くのカフェに行くことにした。

近くのちょっとさびれた感じのカフェを選んで入ると、2ユーロでパンとカフェのセットがあり、それを注文した。スペインで2ユーロとは安い。





朝食を食べて落ち着くと、地図を広げてこれからの作戦会議。
時間の関係で、午前中は荷物を持ったまま近くの観光地をまわり、お昼に宿に戻ってチェックインして、午後からは少し離れた観光地をまわろうということになった。

睡眠は大丈夫だけど、ちょっとさっぱりしたかったので、カフェのトイレを使ってこっそり洗面をさせてもらい、カフェの会計をすませようとすると、


財布がない!

Sがバッグをまさぐりながら叫ぶ。
全部荷物を出して確認しても見つからない。
地下鉄の切符を買った時はあったから、そこからの道中でスられてしまったのだろうか。


飛行機が飛ばなくて30時間待つわ、財布はなくすわ、旅の最後にきて不運続きのS。
マドリッドはスリが多いと聞くけど、隣にいて全く気がつかなかった。

財布には70ユーロと銀行カードが1枚入っていたという。
これくらいの被害で済んで良かったけれど、現金は諦めるとしても、銀行カードは止めなければならない。

とりあえず午前中は荷物もあるのでそのまま観光して、午後からインフォメーションに行って銀行の場所を聞くことにした。



というわけで、気を取り直して観光開始。

まずは、王宮にむかって移動する。
この町は勾配のある道が多く、夜行バス後に重い荷物を引っ張るのは疲れる。
この旅でずっと良かった天気もなんだか怪しい。ポツポツと雨が降ってきた。
おまけに、どうやら道を間違えて、今いる場所がどこなのかよく分からない。


なんて日だ! 

と、Sは思っていただろう。


雨が強くなって、バス停で雨宿りしていると、目の前の公園で火の手が上がる。
警察が集まってきて、消防車が到着した。どうも芝刈りの芝を焼いていた火が何かに引火したようだ。









マドリッドの町


しばらくすると、火も小さくなり、雨もあがった。
急勾配の坂を荷物を引きずりながら登り、ようやく最初の観光地、アルムデーナ大聖堂に到着した。



アルムデーナ大聖堂


続いて、サン・ミゲル市場、ビリャ広場、マヨール広場と当初の予定とは違う順番でまわっていく。



サン・ミゲル市場



この市場はそんなに大きくなかった。






ビリャ広場



マヨール広場。ここは広かった。






警官? にしてもパフォーマンス感が強い。


更に、最初に観光するはずだった王宮へ。
でかい荷物を持っているので、敷地内には入らず、外から写真を撮るだけにした。



王宮



王宮。荷物があったので中には入らなかった。



マクドナルドでもビールを出してる。


近場の観光を終えて宿に戻ってきたのは1時くらいだった。
観光の途中、Sの財布はスリにやられたのではなく、早朝宿に行った時に慌てて荷物を出し入れした時に落としたのではないかということになり、管理人のオヤジに聞いてみたけど、まったく探す様子もなく、「ノー」の一言で片付けられた。

このオッサンが盗んだんじゃないか? と思いたくもなってしまう態度。こんな年の取り方はしたくないものだ。


実は、今回の宿、1泊しかしないものの、ドミトリールームではなく、シングルルームを予約している。
ネットでマドリッドの安宿を探したところ、この宿のドミトリールームが8ユーロだったのだが、シングルルームが15ユーロと安かったので、この旅最後の1泊くらい、贅沢にシングルルームにしてみたのだ。


ハイシーズンのこの時期にスペインでシングルルームが15ユーロなんて安すぎる。
何か理由があるのではと思っていたら、どうやらこの宿は以前は学生寮で、その部屋をそのまま利用してユースホステルにしたため、一部屋が狭くて部屋数が多く、低価格で提供できているらしい。

チェックインを終えて部屋に入り、荷物を置いてとりあえずSを部屋に呼ぶ。
財布が見つからず、Sが気落ちしてないかと思ったので、さっきスーパーで買っておいたサラミとビールを出して、とりあえず乾杯した。

Sはそんなに落ち込んだ様子もなく、昨日、一昨日とベッドで寝ていないのになぜか元気だ。
ビールを飲んだらシャワーを浴びて、2時半には再び観光に出ることにした。





2時半になり、疲れも見せずに宿をでる。
まず最初に最初にしなければならないのは、Sの銀行カードを止めるため、現地の銀行に行くことだ。
カードは中国工商銀行。現在、中国で一番大きな銀行であり、世界の銀行ランキングでも資本金でナンバーワンという銀行だ。中国の躍進おそるべし。
それだけの銀行なら、きっとマドリッドにも支店があるはずだ。


インフォメーションで場所を聞き、地下鉄に乗って工商銀行のあるバンコ・デ・エスパーニャ駅へ。
マドリッドはバルセロナと比べても中心地がかなり広く、徒歩での移動はちょっと無理がある。
地下鉄を乗り継いで最寄り駅まで行くと、工商銀行はすぐに見つかった。


受付に行くと、現地人のオペレーターが中国語で案内してくれた。

「ここは工商銀行のマドリッド支店なので、ここでカードを止めることはできませんここの銀行と中国の銀行は別物なんです」


流暢な中国語で断られたものの、そんなに簡単には引きさがるわけにはいかないので、どうにかしてくれと粘っていると、中国人のスタッフが来て事情を知り、中国支店の連絡先を調べてくれた。
対応が無愛想に見えることもある中国人だけど、事情が分かれば親身になってくれるのも中国人。そして、規則に反していたり、状況的に厳しくても何とかしてくれるのが中国人だ。

中国人スタッフは中国の支店に電話をしてくれ、こちらの中国語で分からないところは電話を変わって説明してくれ、無事にカードを止めることができた。


これでSの銀行カードは問題解決。
ここからは心置きなく観光できる。バンコ・デ・エスパーニャ駅から南に歩いていくと、市役所、そしてプラド美術館にぶつかった。



市役所本部。全然市役所らしくない。



プラド美術館。


プラド美術館はとても有名な美術館。でも、今回はプラド美術館ではなく、ソフィア美術館に行く予定だったのでスルーする。そして、プラド美術館の裏側にあるサン・ヘロニモ・エル・レアル教会に行ってみることにした。



サン・ヘロニモ・エル・レアル教会。

小さい教会だけど、1500年頃に建てられたマドリッドで唯一のゴシック建築の教会で、なんかかわいい感じだった。


つづいて、ソフィア美術館に向かったのだけれど、途中で雰囲気のいいバルがあったので、そこで生ハムを食べることにした。
Sはバルセロナに数時間しか滞在していないので、まだスペイン料理を全く味わっていない。とりあえず、イベリコ豚の生ハムとパエリアだけは食べてもらわなくては。


ビールは1杯1ユーロ。普通の生ハムなら2〜3ユーロで1皿出てくる。お目当てのイベリコ豚の生ハムは2種類を1皿にしてくれて8ユーロで、Sと二人で食べても十分の量だった。



スペインのBAR(バル)



ビールも1ユーロ。生ハムも安くて気軽に入れるお店。



立ち飲み屋みたいな感じ。



これがイベリコ豚の生ハム。普通の生ハムの4倍くらい高いけど、とにかく美味い。


生ハムが美味くて思わずビールをおかわりしてしまった。
お酒も入って気分が良くなったところで、ソフィア美術館へ。

この美術館に僕は前回も行っている。プラド美術館は前回も行っていない。
それなのになぜソフィア美術館を選んだかといえば、ソフィア美術館には「ゲルニカ」が展示されているからだ。



ソフィア美術館。入場料8ユーロ。ちょうどダリ展をやっていた。



5回のエレベーターから階下を見ると、ダリ展に入るために並ぶ人の列がすごかった。


「ゲルニカ」はあの有名なパブロ・ピカソが描いた作品だ。
写真撮影は禁止されているけれど、3.5メートル×7.8メートルの大作で、もう6年前になるけれど、どのような作品だったかははっきりと覚えている。
ゲルニカとはスペイン内戦中に空爆を受けた町のことで、反戦をテーマにしたこの作品は前回見た時に非常に感動した。
その時の印象があまりに強かったので、この作品だけを見にソフィア美術館に来たのだ。

久しぶりに見るゲルニカはやっぱり素晴らしい作品だった。
ただ、前回は展示してあったゲルニカの作成過程の部分的な下書き作品が今回はなぜか展示されていなかったことは非常に残念だった。



ソフィア美術館に2時間ほどいたあとは、大型スーパーを探しに市内の中心部に地下鉄で移動した。Sはこれまで全くお土産を買っておらず、ここスペインで探すつもりでいたので、それなら大型スーパーが一番いいだろうということになったのだ。

スーパーの場所が分からないので、とりあえず地図にあるセバーダ市場に行ってみたものの、時間が遅くてほとんどの店が閉店していた。
そこから歩いてさらに中心地に向かうと、レストランや土産物屋が多いエリアに入り、そこででっかりスーパーを発見した。



アトーチェ駅



夕暮れ時の町


僕の土産はハンガリーとイタリアでかなり買っていたから、本当はもう買わない予定だったのだけれど、ムール貝やタコ、オリーブの缶詰、バジルなどの調味料など安くて魅力的な食材が多かったので、ついつい買ってしまった。



本当は生ハムを買いたいところだけど、生肉の持ち込みは禁止の可能性が高いのでやめておいた。


時間は夜8時半。空もだんだん暗くなってきた。
予定していた観光はすべて終了、土産物も買い終えたので、残るイベントはただ一つ。パエリアを食いながら酒を飲むことだ。


値段の客数と雰囲気を考慮しながら、いろんなレストランを回る。
歩いているうちにマヨール広場まで来てしまったけれど、この広場の周囲を囲むレストラン群はかなりの高級店。手が届かなかった。




ここにも似顔絵描きがたくさんいた。



マヨール広場のレストランはかなり高級。



夕方になると、マヨール広場も人が増えてくる。


さらに脇道に入っていくと、値段もほどよく、客の入りもまあまあの店を見つけたのでそこに入ることにした。
メニューを見ると、インサイドとアウトサイドで値段は2〜3ユーロ違う。
つまり、店内で食べると安いけど、外のテーブルだと高いわけだ。


それならもちろん中で食べようということになり、生ビールを2杯、パエリアを2つ注文した。一人あたり12ユーロ、手ごろな値段だった。
パエリアはシーフードとイカ墨を頼んだけれど、残念ながら米がベチャベチャしててあんまり美味しくなかった。








Sもさぞかし残念がってると思ったら、この1ヶ月、パンばかりで米に飢えていたので、このパエリアでも満足しているようで、最後の米1粒まできれいに食べきっていた。


宿に戻ったのは10時半。
明日は朝早くに空港に行き、日本に帰国しなければならない。

長いようで短かった1ヶ月のヨーロッパ旅もこれで終わりかと思うと、ちょっと寂しい気がしてくる。

 

author:tigerblog, category:ヨーロッパ番外編, 11:31
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