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ネパール入国!
旅日記第3部 《インド編》
旅を始めて45日目
現在、インドのダージリンにいます。


 楽しかったダージリンの町とも今日でお別れ。もう何日か滞在してもよかったんだけれど、行きたい場所はだいたいまわったし、楽しいうちに町を移るのもいいかなと思い移動することにした。

 朝9時にチェックアウトをすませ、宿を出る。コルカタで知り合ったジャズマンTちゃんの情報と、お世話になった「ホテル・プレステージ」の日本人経営者直美さんの情報をもとに、今日はいよいよネパール入国だ。
 まずは宿を出て、路上でスィリグリー行きの乗り合いジープをつかまえる。町中を移動しながら30分ほどで乗客が集まり、山をくだっていざスィリグリーへ(料金は80ルピー、160円)。
 行きにトイ・トレインで通ったレールの脇の道をトイ・トレインの約3倍の速さでジープは走りおりる。標高がさがると暑くなり、長袖を脱いでTシャツに。宿で出してくれた湯たんぽの温かみを思い出し、ダージリンとも本当にお別れなんだという気になる。

 3時間弱でジープはスィリグリーに到着した。ここでネパールボーダー行きの乗り合いジープに乗り換える(料金は50ルピー、100円)。
 かなりポンコツジープの後部座席で揺られながら、今度は1時間ほどでネパールボーダーに到着。時計は午後1時半をまわっていた。


乗り合いジープ。乗り合いリキシャよりずいぶん楽だった。


 まず、インドのイミグレーションを探す。ちょうどポリスがいたので聞いてみると、すぐ背後の建物を指差された。

 ――えっ、これがイミグレ!?

 およそイミグレとは思えない粗末な作りで、インド人のおっさんが一人いるだけ。出入国の手続きにきている人は一人もいなかった。
「おお、日本人か! ちょうど暇していたんだよ」という感じで係員のおっさんが出てくると、インドの感想と今回の旅のルートを聞かれながら、ほどなく手続きは終了した。


インドのイミグレーション


 そこからネパールのイミグレまでは歩いて橋をわたる。橋を渡ったところはもうネパールだった。ネパールのイミグレはインドよりは立派だったけれど、やっぱり手続きに来ていたのは僕ひとり。ここでも世間話につきあわされ、1ヶ月のネパールビザを取得して手続きは終了した。(ビザ代は40USドル。それにインドコミッションが必要とかで100インドルピー支払った)
 思えば、陸路での国境越えは1年半前のカンボジア→タイ以来。手続き自体は人もいなくてかなり楽ちんだったけど、ちょっとした緊張感を久しぶりに味わえた。陸路での国境越えも楽しいもんだ。



国境にかかる橋


ネパールのイミグレーション


 向かう先はネパールの首都カトマンドゥ。カトマンドゥまでは直通の夜行バスを使うことにした。バスターミナルはボーダーから歩いて5分の場所にあり、チケットの相場も聞いていたので、最初に入った旅行会社で780ネパールルピー(940円)のバスチケットを購入した。
 
※現在のレートは1ネパールルピー=1.2円。1ドル=78ネパールルピー。1インドルピー=1.6ネパールルピー(これは固定レートらしい)。

 バスが発車する夕方5時までは3時間ほどあり、ちかくのチャイ屋でガキんちょと遊んだり、売店に顔をだして時間をつぶした。
 ネパールの物価はインドよりほんのちょっと高いけれど、日本と比べるとやっぱりかなり安い。それでもインド物価に慣れてしまっているので、ネパールの金銭感覚に慣れるには少し時間がかかりそうだ。



なぜかヤギがたくさんいた。


水を飲もうとして抜けなくなったアホなヤギ。


遊び相手の少女。


 バスは定刻を30分遅れで出発した。実は、ネパールの国境越えからカトマンドゥまでの道のりには大きな不安要素があった。
 これは他のネパールボーダー付近でも同じだけれど、このエリアには山賊が出るらしい。すでにインドに来てから2人の日本人パッカーが山賊にやられたという情報を耳にしている。
 ダージリンからカトマンドゥに抜けるまでの道のりは比較的安全というのでこのルートを選んだんだけれど、万が一がないわけではない。

 心配になったのでバスチケットを買った旅行会社で聞いてみると、
「ノープログレム、サムタイムサムタイム」
 って、やっぱりときどきあるんじゃん! 貴重品は手荷物にいれず、山賊に渡せる用の財布も用意しておいたけれど、さすがに心配になって速攻熟睡タイプの僕も眠るどころではなかった。
 しかも僕のシートは乗車口のすぐ手前、一番先に狙われるのは僕ということになる。外国人中心にやられると聞いていたから、少しでもネパール人顔を作ってみようと練習したり、山賊が入ってきたら横のネパール人のおっさんにもたれかかって寝たフリをしようと考えたり、気が気ではなかった。

 バスは途中、何度も検問で停車した。停車するたびに不安がよぎる。たまにアーミー服の軍人が車内に入ってきたりするもんだから、そのときはもう冷や冷やだった。
 一度などは、前のバスの乗客10人ほどが道路脇で手を前に組んだまま道路に背をむけて直立の姿勢で並んでいた。これはついにやられたかと思ったら、検問で待っている間に集団で立ちションをしているだけだった。

 ただ検問が頻繁にありすぎて、道路はおおむね渋滞状態。これだけ車が頻繁に行き交えば山賊は出ないなと思い、6、7回目の検問が終わったくらいで眠りについた。

 無事にカトマンドゥに着けますように。。。


author:tiger, category:ネパール編, 19:33
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カトマンドゥという町
旅日記第3部 《インド編》
旅を始めて46日目
現在、ネパールのカトマンドゥにいます。


 バスが無事にカトマンドゥ市内に到着したのは午前10時半だった。朝6時には到着すると旅行会社には言われたが、何はともあれ無事到着したことに安堵する。


チャイ屋の前で停車して朝食タイム。


カトマンドゥまでの道のりは景色がよかった。


 バスを降りると、一緒に乗っていた欧米人カップルとタクシーをシェアして安宿街へ移動する。安宿街はタメル地区のタメル・チョークという場所に固まっていて、僕がむかったのは「ホリーランド・ゲストハウス」。
 デリーとブッダ・ガヤで一緒になった日本人パッカーのH君がそこに泊まっていると数日前に連絡があったからだ。

 すぐに宿は見つかった。けれど、H君はいなかった。今日の早朝、ポカラにむけて出発してしまったらしい。残念、ちょうど入れ違いだ。
 1週間弱でまたカトマンドゥに戻ってくると言っていたそうだから、長居をすればまたこの宿で会えるかもしれない。
カトマンドゥの町が気に入ればの話だけれど……。


「ホリーランド・ゲストハウス」


 宿はシングルルームで200ネパールルピー(240円)。トイレ・シャワーは別だけど、インドより安いくらいだ。
 とりあえずシャワーを浴びて、溜まった洗濯をし(ダージリンは湿気がすごくて衣類が乾かず洗濯できなかった)、腹ごしらえをしに外へ出た。
 昨日からずっと移動でほとんど何も口にしていない。適当に安そうな店を選んで入り、まずはネパール料理の定番、モモを注文した。
 インドでも結構口にしてきたけれど、本場のモモはいかなるものか。モモだけでは足りないと思ったので、これも定番のチョウメンを一緒に注文しておいた。

 待つこと15分。出てきたモモとチョウメンはかなりボリュームがあった。まずはモモを口に運ぶ。

 うっ、美味〜い!

 ダージリンのモモも美味かったけれど、さすが本場の味。味付けもソースもインドで食べたものより美味かった。
 しかも、モモが40ネパールルピーでチョウメンが45ネパールルピーだったから合計しても100円ちょっと。安いモモなら25ルピー(30円)くらいらしいから、これはネパール料理に期待が持てそうだ。




 まずは料理よし。つづいて町を探索する。このタメル地区はタメル・チョークを中心に土産物屋が道の両サイドに立ち並び、バーやオシャレなレストランもたくさんある。
 欧米人観光客が非常に多く、あまり観光地観光地している場所は好きではないけれど、ここの通りは雰囲気もよく、メインロードをそれるとローカルショップばかりになり値段も安い。歩いていて楽しそうな町並みだ。

 町並みよし。そして驚いたのが土産物。品数、種類、品質がインドとは比べ物にならないくらい豊富で、ついつい足を止めて店に入りたくなる。オシャレな感じのもが多く、彩りが鮮やかなので、町の雰囲気をよくしているように思える。
 貧乏パッカーだからそんなに買い物はできないけれど、探せばいい品が見つかりそうだし、見つける過程が楽しそうだ。




 土産物よし。そして最後は一番重要な「人」だ。インド人も思いのほか優しく気さくだったけれど、ネパール人もなかなかよろしい。あまりしつこくなく、商売から離れると非常に親切。ただ、外国人観光客が商売相手の土地柄だけあって、なかには面倒くさい店員もいる。もっとローカルエリアに足を伸ばして現地人と交流してみたいと思う。

 人もまあまあよし。最後にひとつつけ加えておくと、女性よし! インド人も美人が多かったけれど、ネパール女性も負けていない。インドに比べるとやや彫りが浅く、馴染みやすい感じで、どちらかというと僕はこちらのほうが好きだ。
 たまにすごい美人もいるから、いい目の保養になりそうだ。


 宿の近くを一通り練り歩き、宿に帰ると疲れて寝てしまった。
まだ今日は町の一部しか見ていないけれど、カトマンドゥはなかなか住み心地のよい場所みたいだ。
 このぶんだとポカラから帰ってくるH君に再会できるかもしれないな、そう思わせられるカトマンドゥ初日だった。

author:tiger, category:ネパール編, 21:57
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このブログのメインユーザーは……。
旅日記第3部 《インド編》
旅を始めて47日目
現在、ネパールのカトマンドゥにいます。


 カトマンドゥ2日目。今日は朝9時に目が覚めてシャワーを浴び、日記を書いたあと読書をしていたらいつの間にか午後1時。それから昼飯を食いにいき、ネットカフェでブログのアップやメールチェックをしていたら、夕方5時になっていた。

 少し町を歩いてポストカードと酒を買い、夕食をすませると7時半。宿に帰るとすぐに停電して真っ暗な部屋でやることもなく、買ってきたウィスキーを飲んで(180ミリリットル70ルピー、85円)早々に寝てしまった。何もせぬまま終わった1日だった。


 特に書くこともないので今回はちょっとブログについて書いてみる。今回の旅ではノートパソコンを持ち歩いている。中古で2万円のものだけど、小さくて軽いので使い勝手がいい。

 前回の世界一周の時もノートパソコンを持ち歩いていた。けれど、旅を始めて3ヶ月目に画面がいかれ、使えなくなってしまった。今思うと、それでよく毎日ブログを書けたなあと思う。
 今回の旅はドミトリーではなくシングルルームに泊まることが多いので、夜中の暇な時間のちょうどよい暇つぶしになる。
 日によって書く内容や文量は違うけれど、書き出すと早いほうなので1日分を書くのに30〜40分。写真を選んでサイズを調整するのに5分。それを毎日ではないけどネットカフェでアップするのに1日分が約10分。合計の所要時間はだいたい50分くらいだろうか。旅をしていてもそんなに苦にはならない時間だ。

 見直しもほとんどしていないので誤植も多いとは思うけど、あんまり丁寧に書いても時間がかかって書くのが嫌になるし、メインはやっぱり旅なのであまり負担をかけたくない。
 僕のブログは面白く書くというより、自分の旅の記録を残すための日誌代わりに利用している。だからコメントも受け付けていないし、1日の流れを書いているだけなので読んでもそんなに面白くないと思う。
 それならブログにアップする必要なんてないと思われるかもしれないけれど、こんなブログでもたまに読んでくれる人がいたりするので、そこらへんは毎日書きつづける原動力にさせてもらっている。

 ところで、ブログにはアクセス解析という便利なものがあって、どの日の日記がどれだけ読まれているかがわかる機能がある。
 それをここでお伝えするのもいかがなものかと思うけど、毎月、アクセス数の上位3強はだいたい決まっている。

第1位 「ヌーディストビーチで裸になる」(クロアチア・ドブロブニク)
第2位 「世界一危険な都市ヨハネスブルグにビビる」(南アフリカ・ヨハネスブルグ)
第3位 「元旦からゴーゴーバーへGO!」(タイ・バンコク)

 勘のいい人ならおわかりだろうが、アクセス解析の検索キーワードの項目を見ると、「ヌーディストビーチ」「ヨハネスブルグ 危険」「ゴーゴーバー」が毎回上位にランクインされている。つまり、エロ目的のスケベな男性とサッカーW杯の次期開催地である南アフリカの治安情報を知りたい人に一番多く僕のブログは読まれているわけだ。

 少し悲しい。そして少し申し訳ない。それらの日記にはユーザーお目当てのエロ情報も治安情報もほとんど書かれていないからだ。

 とはいえ、タイガーの旅も最終章。今回のインド・ネパールの旅を世界一周のゴールにするつもりなので、ブログも最後まで書こうと思う。
 予定では残された旅の期間は1ヶ月、時間のある人はお付き合いいただければ幸いです。
 


今日のカトマンドゥは夕立があった。
author:tiger, category:ネパール編, 22:30
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生き神・クマリ
旅日記第3部 《インド編》
旅を始めて48日目
現在、ネパールのカトマンドゥにいます。


 ネパールには生き神がいる。

 女神・クマリ。血の汚れのない利発な少女が選ばれ、今でも人々から神として崇められている。血の汚れがないとは、初潮前の少女のこと。つまり初潮がくると神の任を退かなければならない。
 実はクマリの存在は以前から知っていた。クマリについて書かれた植島啓司氏の連載「処女神」を読んだことがあったからだ。クマリ自体はネパールの各都市に存在するらしいが、カトマンドゥのクマリは国や国王の運命を予言するとされているのでその中でも特別らしい。
 今のクマリはまだ3歳半らしいが、ダルバール広場のクマリの館に行けばその姿を見ることができるかもしれないという情報を入手し、今日は生き神クマリをこの目で見に行くことにした。

 まず宿を出て朝食をすませ、タメルチョークのメイン通りから南に向けて一直線にくだる。途中、カテシンブー・ストトゥーパやアカシュ・バイラヴ寺院などを観光し、土産物屋を物色しながら歩いていくと、1時間ほどでダルバール広場に到着した。


今日の朝もモモ。スープはサービスでつけてくれる。


カテシンブー・ストトゥーパ




 ダルバール広場の入場料は外国人に限り300ルピー(360円)。手続きをすれば無料で3日間有効になるというからオフィスで手続きを済ませたが、広場の入り口でも広場内でも全くチェックはなく、チケットを買わなくても簡単に観光できそうな感じだった。


 クマリの館はすぐに見つかった。建物自体は想像していたよりも地味で質素なもので、木彫りのほどこされた3階建ての館だったが、中庭に入ると、コーラやスナックを売っている売店があってがっかりした。クマリの威厳ガタ落ちだ。
 しばらく館の近くで様子を見守っていたが、肝心のクマリはいっこうに出てこない。館の近くでポストカードを売っているおばちゃんに聞くと、今ここで待っていてもクマリは出てこないという。クマリは現在休憩中で、毎日だいたい夕方の4時に姿を見せるらしい。クマリの姿を見るにはそれなりのお布施が必要らしいが、観光客の団体に便乗して中庭に入ればたぶん見られるだろうということだった。


これがクマリの館


なぜか売店が……。


 現在12時。せっかくここまで来たのでどうしてもクマリを見たい。それまでダルバール広場内の寺院を見て時間をつぶそうと思ったら、48もあるという寺院はさして見所がなく、30分たらずで見終わってしまった。
 仕方がないので、近くの土産物屋を見てまわったり、広場でくつろいでいる現地人と話したりして4時になるのを待つことにした。












 待っている間にネックレスを手持ちで売っている少女2人と知り合った。ネックレスを買えとうるさいので断っていると、しだいに仲良くなり、ネパール料理の「チャタモリ」が食いたいと言ったら店を教えてくれた。
「一緒に食べる?」と聞くと嬉しそうについてきたのでごちそうしたが、以外に高い店で3人で270ルピー(320円)もかかってしまった。これだけあれば安いネックレスが9個も買えた。ちょっと痛い出費だったけど楽しかったからいいか。








これがチャタモリ。


 そうこうしているうちに夕方の4時になった。クマリの館に行ってみると、数人の観光客がいたが、クマリが顔を出すという中庭にいっても、なかなか姿を現してくれない。
 どうしても今日のうちに見たかったので、怪しいくらいに何度も中庭に出入りしていると、4時45分くらいに団体の観光客がぞくぞくと中庭に入っていった。
 これはチャンス! 一行にまぎれて中庭に入ると、5分ほどして3階の窓からクマリが顔を出してくれた。

 まだ3歳半のクマリは顔にクマリのメイクをほどこされ、絢爛豪華な王冠をかぶっている。が、やっぱり3歳半の少女だった。
 どれだけ威厳があるのかと目を瞠ったが、窓枠の手すりに手をかけて落ち着きなくこちらに視線を向けている。まだあどけない表情で、ありがたみを感じるというよりは、「かわいいな」という感じの神様だった。まだ3歳半だから仕方ないか。

 残念ながらクマリの写真撮影は禁止されていてその姿はお見せできないが、とりあえずクマリが見れたということで、満足してダルバール広場をあとにした。


この3階の中央の窓からクマリが顔を出す。


これがクマリ。写真が撮れないのでポストカードから。


 世界中、とくにインド・ネパールを旅しているとたくさんの神様に出会う。生き神の姿を見たのは今回が初めてだったけれど、可愛い神様に出会えたことは旅のいい思い出になるだろう。




author:tiger, category:ネパール編, 17:48
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カトマンドゥと停電
旅日記第3部 《インド編》
旅を始めて49日目
現在、ネパールのカトマンドゥにいます。


 カトマンドゥは飯も美味く、物価も安く、人もよくて、土産物も豊富。でも、ひとつだけかなり困ったことがある。それは停電だ。



 ホテルのレセプションに貼ってある写真の表を見てもらいたい。1日あたり16時間「NO LIGHT」である。これはカトマンドゥだけでなく、ネパール全体がそうらしい。
 昼間はいいとして、ほとんど毎日夜中停電しているので、部屋に帰ると真っ暗だ。あいにく安宿に泊まっているので、灯りは自家発電しているレセプションだけ。夜中にシャワーを浴びることもできない。
 夕方から自家発電で営業可能なネットカフェに行き、そのあとレストランで飯を食いながら読書をし、8時頃に宿に帰って部屋でロウソクを灯しながらノートパソコンでブログを書く、それが最近の日課になっている(それもパソコンの充電がもつまでだけど)。
 今日なんて、夜は停電しないはずなのになぜか停電しているし……。

 だからというわけではないけど、昼間はできるだけ精力的に動くようにしている。今日はちょっと離れた郵便局に行って、ポストカードを出してきた。
 世界一周を始めたときから、全ての国でポストカードを買い、それを送るついでに全ての国で切手を買うようにしている。ポストカードにも切手にもすべて国名が入っているので、集まったのを並べて見ると面白い。
 特に今回のネパールの切手は絵柄がなかなか面白かった。




 国家の楽譜が描かれていたり、エヴェレストや国民的スポーツのクリケットが描かれていたり、ネパール・日本友好の切手まであった。
 郵便局までの道のりも興味深かった。観光客用のタメル地区とは違い、完全にローカルエリア。土産物屋はほとんどなく、日用品が売られていて、値段も格安。チャイ用の濾しネット(15ルピー、18円)と小さくて味のあるオイルランプ(100ルピー、120円)、それに破れたショルダーバッグを縫うための針と糸(合わせて10ルピー)を購入した。
 店の人は非常に親切。会計を待っていても近所の人と世間話を続けていたりするけれど、買え買え言ってこないし、僕のいい加減な英語にも首をかしげながら頑張ってついてきてくれる。












 昼食は「ニューエヴェレスト・モモセンター」という食堂に行ってみた。こちらもローカル食堂でお客は現地人のみ。メニューは壁に書いてあり、「MOMO 30ルピー」「COLD DRINK 14ルピー」の2つだけ、日本のこだわりのラーメン屋みたいだった。
 味よし、価格よし、作り手の手際よしという感じでなかなか満足できる昼食だった。






 もっともっとローカルへ。今度は観光客のいない地方の村へ行ってもっとローカルを味わってみたいな、そう思った。

author:tiger, category:ネパール編, 17:48
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旅の先にあるもの
旅日記第3部 《インド編》
旅を始めて50日目
現在、ネパールのカトマンドゥにいます。


 旅を始めてちょうど50日目。50日といえば旅としては結構な長さなのに、まだ少ししか経ってないような気がする。世界一周の旅が1年間だったこともあるかもしれないけど、それよりも、旅に慣れて旅自体が生活化されてきたからかもしれない。

 行く国も今回はインド・ネパールに限定されているし、旅程もまだ余裕があって焦る必要がない。何より次への刺激をさほど求めていない自分がいることに気づく。
 世界一周では旅のタの字もわからずにスタートし、行く先々で多くの刺激を受けた。そのぶん慌しい旅だったので今回はゆっくり余裕を持ってまわろうと思ったのだけれど、旅の最初ほど緊張感や刺激がなくなってきたみたいだ。
 
 もちろん今でも旅は楽しい。もっと他の国に行きたいという思いもある。けれど、やっぱり今回の旅が世界一周のゴール地点なのかなと思う。結局、行き着くところは旅ではなく、生活だからだ。どんなに旅をしていても、最後は生活に戻らなければならない。旅で一生を終える人もいるけれど、それは旅とはいえず、もはや生活になっているのではないのだろうか。そんな気がした。

 ただ、それは今の素直な気持ち。もしかしたらこれは今だけの気持ちなのかもしれない。明日になればまた新しい刺激に出会い、激しく興奮するかもしれない。やっぱりこのまま旅を続けたいと思うかもしれない。
 3年以上旅をつづけているパッカーは何を思いながら旅をつづけているのだろうか。今日はそんなことを考えるほど暇をもてあましていた一日だった。

 

ネット屋のお姉さん。今日はこの人と2時間くらい話していた。
author:tiger, category:ネパール編, 14:13
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ネパールのカジノに行ってみた
旅日記第3部 《インド編》
旅を始めて51日目
現在、ネパールのカトマンドゥにいます。


 のんびりとした時間が続くと、昨日みたいに色々なことを考えてしまう。居心地のいいカトマンドゥだけれど、一人でずっといるせいもあってか町中を歩き回っているのにも少しずつ飽きてきた。
 このままでは旅友H君がポカラから帰ってくるまで待てそうにないので、今日は新しい刺激を求めにカジノへ行くことにした。

 僕はもともとカジノ好きで、世界一周の旅でもいくつかの国のカジノを体験してきた。アルゼンチン、アメリカ(ラスベガス)、ブルガリア、ハンガリー、そしてマカオ。
 アルゼンチン以外のカジノでは負けていないのでなかなか勝率はいいが、掛け金が少なく、ちびちびせこせこ賭けているのであまり儲かってはいない。でも、大切なのは負けないこと。お金を使わずその場の雰囲気を楽しめればそれでいい。
 
 早起きしたので、まずはカジノの前に映画でも見ようと思い、現地人が見に行く映画館に行ってみた。あいにく最初の上映はすでに始まっており、1時間以上待たなければならないらしい。
 現地人はかなり映画が好きそうで、上映されている映画はインド映画が多かったが、休憩時間(こちらでは映画の途中で休憩時間が入る)には多くの現地人が大挙して売店に押し寄せていた。まだ1時間以上先の次の上映を待っている人もけっこういる。
 印象的だったのは、ボロボロの服を着たストリートチルドレンがどうしても映画を見たいらしく、警備員におっぱらわれながらも何度も入場口にすがりつき館内に入ろうとしていたことだ。最後は警備員に棒で叩かれて追い出されていたが、それでも泣きながら入場口の鉄格子にはりついていたのには考えさせられるものがあった。






 1時間以上も待つのが面倒だったので、とりあえずカジノに行ってみることにした。今回向かったカジノは宿から徒歩5分の「カジノ・アンナ」。ホテルに併設されているこのカジノはカジノルームが2フロアあり、1階は主にスロット中心の電子ゲーム、2階がテーブルゲームだった。
 朝早いこともあって、お客はほとんどいない。2テーブルしかプレイされておらず、夕方くらいに混み合ってくることと、ゲームのミニマムレートだけを聞いてひとまず退散することにした。カジノはお客がたくさんいたほうが盛り上がっていて面白い。それに、テーブルについくプレイヤーが多いと「見(ケン)」ができる。(調子が悪いときに数回プレイを休んで見ていること)
 ちびちび少ない枚数のチップを賭けていく身としては、そちらのほうが都合がいいのだ。

 ついでなので近くにあるもう一つのカジノ「カジノ・ロイヤル」にも行ってみたけれど、やっぱり状況は同じだった。

 宿に戻ってちょっと休憩し、午後1時になったので、待ちきれなくなって再び「カジノ・アンナ」に乗り込んだ。
 普段着のままでオッケーとガイドブックに書かれていたので、サンダルのままで行ったけれど全く問題なし。
 ボディーチェックはおろか、ショルダーバックも持ち込み可で、かなりセキュリティーは甘いようだ。(普通は念入りなチェックを受け、荷物は預けさせられる)
 2階のテーブルゲームのフロアは午前中とは違い客がそこそこいて、テーブルゲームも半分くらいはプレイされていた。


「カジノ・アンナ」

 まずは現金をチップに替えなければならないのだが、ここカトマンドゥのカジノではネパールルピーではチップに替えられない。インドルピーかUSドルなら大丈夫らしいが、換金時にはしっかりネパールルピーで返ってくる。外貨を入手し、自国通貨を使わせようとしているのだろうか。
 午前中に下見をしておいたおかげで、インドルピーは宿から持ってきておいた。キャッシャーに行って、換金ミニマムの1000インドルピー(2000円)をチップに替える。
 つぎにテーブルを回りながら様子をみたが、僕がプレイできるゲームは最初から決まっている。というよりも限られている。ブラックジャックかルーレットだ。この2つのゲームはカジノのテーブルゲームの中で比較的レートが安く、ルールも分かりやすいので僕のようななんちゃってギャンブラーにはちょうどいい。
 
 午前中にきいたミニマムレートはブラックジャックが1プレイ100インドルピー(200円)、ルーレットは数字に賭ける場合(「イン」)はミニマム20インドルピー(40円)、赤黒や偶数奇数など数字以外に賭ける場合(「アウト」)はミニマム100インドルピー(200円)だった。
 これは世界的に見て、かなり安いレートだ。ラスベガスやマカオなら一番安いテーブルでもブラックジャックのミニマムレートが500円はするし、ルーレットでもインが100円、アウトが500円くらいはする。
 そういう意味では非常にリラックスしてできるはずなのだけれど、なんせインド・ネパールを旅していたせいで金銭感覚がズレている。
 1回ブラックジャックで負けただけで、宿1泊分の費用を失うことになる。そうなると、やはり貴重な資金に変わりない。

 僕はカジノで勝ちたいというより、カジノを楽しみたいタイプのプレイヤーなので、長い時間楽しみながらプレイをしたい。勝つにこしたことはないけれど、負けがかさんで旅に支障がでたらそれこそ馬鹿みたいだ。1ヶ月3万円で旅しているのが水の泡になってしまう。

 ルーレットのテーブルが盛り上がっていたので、とりあえずそこでプレイしてみることにした。1000インドルピーチップをディーラーに渡し、20インドルピーのチップに替えてもらう。
 目の前には50枚のチップが用意された。このカジノのルーレットテーブルには他の国のカジノにはだいたいある「出目表」(これまでどの数字が出たかを表す電光掲示板)というものがない。仕方がないので自分でテーブルに用意されている紙に書いていく。
 その目を見ながら予想して当たり目をよんでいくのだが、自分勝手なヨミでもそれで当たるとかなり気持ちがいい。「ほら、やっぱり!」と当たるたびに悦に入れるのだ。

 最初は1枚6点賭け(チップ1枚で6つの数字を指定する、配当6倍)や1枚4点賭け(配当9倍)で勝負して、3回に1回くらい当たって浮いたり沈んだりを繰り返していた。慣れてきたので1枚2点賭け(配当18倍)や1枚3点賭け(配当12倍)を増やしていくと、まあまあ当たりが出て少しずつチップは増えていった。
 結局、そのテーブルで1時間半くらいプレイして席を立った。収支はチップ30枚浮きのプラス600インドルピー(1200円)。もう少しやってもよかったのだけれど、宿代5日分を稼いだし、お金を使わずに楽しめたことに満足してとりあえずやめておいた。ギャンブルはやめどきが大切だ。

 実はテーブルを立った理由は他にもあった。
 カジノでは飲み物、タバコ、食事などが無料になっている。カトマンドゥに来て以来、値段の高いビール(120ネパールルピー、140円)に手が出ず、まだ一口も飲めないでいたので、ここぞとばかりにビールを頼み、生中を計4杯も飲んで酔っ払ってしまったのだ。
 僕の場合、ほろ酔いの方が張りが大胆になれるのか不思議と調子がいいのだが、久し振りのビールに酔いがまわり、けっこう顔が火照ってきた。これはちょっとやばいかなと思ったのも席を立った理由の一つだった。

 カジノの外に出てホテルの隅に座り、休むこと15分。宿に帰って休もうかなとも思ったけれど、ちょっと酔いが冷めてきた。まだ3時だったので、そのまますぐ近くの「カジノ・ロイヤル」に行ってしまった。


「カジノ・ロイヤル」は高級ホテルに併設されていた。




 ここでも挑戦したのはルーレット。初っ端から調子がよく、チップは順調に増えていったが、酔い冷ましにジュースを2杯飲み、チャーハンを頼んで食い始めたあたりから全く当たらなくなってしまった。
 勝ちぶんがあっという間になくなり、さっきのカジノで勝ったぶんまで減ってきた。これはやばいなあと思っていたら、18倍が連続して当たりトントンになったので席を立つことにした。やっぱり酔いが冷めたのがいけなかったんだろうか……。

 それでもさっきの勝ちぶん600インドルピーは手元に残った。おまけに生中4杯、ジュース2杯、チャーハン1皿、タバコ1箱(旅中は吸えなかった高いタバコ)を無料でいただき、計3時間カジノで存分に楽しめたので今日のカジノは戦績以上にかなり満足することができた。

 久し振りにいい刺激を受けたなと思い宿に帰ると、嬉しい再会が2つあった。一人はコルカタで出会った19歳の世界一周パッカーT君。あとでカトマンドゥには来ると言っていたけれど、数ある安宿の中から同じ宿を選んでここに来たのは全くの偶然だった。
 そしてデリー、ブッダ・ガヤーで一緒だったH君がポカラからちょうど帰ってきた。

 コルカタ以来ずっと一人で旅していたこともあり、久し振りに日本人と日本語で話せてかなり楽しかった。
 明日はその2人と一緒に再びカジノに乗り込むことになった。2人はカジノ初体験だという。これはいいところを見せなければ!


夕飯のトゥクパ。
author:tiger, category:ネパール編, 14:21
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カジノ部部長の面目は……。
旅日記第3部 《インド編》
旅を始めて52日目
現在、ネパールのカトマンドゥにいます。


 今日は昨日に引き続きカジノに挑戦。しかし、今日はひとりではない。「ホーリーランド・ゲストハウス」カジノ部(と勝手に命名)のメンバーが午後1時半にホテルのレセプションに集合し、みんなでカジノに乗り込んだ。

 メンバーは総勢5人。昨日偶然の再会を果たした19歳世界一周パッカーのT君、この旅2度目の再会となった世界一周パッカーのH君、これまた学生世界一周パッカーのR君、カトマンドゥ沈没パッカーのY君、なんと5人中4人が世界一周組という顔ぶれだ。

 しかも話を聞くと、なんと僕以外の4人はカジノ初体験だという。これはマズい。こういう時、ただ一人の経験者は初心者にいいところを見せようとしてだいたい負ける。
 日本で競馬初心者を競馬場に連れて行った時、しっかり能書きを垂れておいて惨敗する経験を僕は今までに何度となく経験している。しかも、一緒に行った初心者がビギナーズラックで勝ったりするから面目まる潰れだ。

 今日プレイしたのは昨日ちょい勝ちした「カジノ・アンナ」。まずはカジノに入り、テーブルゲームを見て回る。みんな初心者なので、その雰囲気にいささか緊張しているようだ。とりあえず、一人1000インドルピー(2000円)ずつをチップに替え、ルーレットテーブルの脇で他の客のプレイを見ながらチップの賭け方やゲームの流れを簡単に説明した。
 僕も初めてカジノでテーブルゲームに挑戦したときはかなり緊張した。たぶんみんなもそうだろうと思い、最初にプレイして見せようと思ったのだけれど、席が埋まっていたり、一人しか座っていなかったりでちょうどいいテーブルがない。
 19歳パッカーのT君が最初は電子ゲームのルーレットで練習したいというので、1階のフロアに下りて説明しながら一緒にプレイすることにした。

 電子ゲームのルーレットは目の前のボタンを押しながらチップを賭ける。こちらは自分のペースで賭けられるし、レートもテーブルゲームの半分なので、少し気が楽だ。
 浮き沈みしながら結局トントンの原点で切り上げた僕に対し、T君は手持ちのチップを50枚から倍の100枚まで増やしていった。初心者なのにさすがは19歳の世界一周パッカー、一点賭け(配当36倍)を何度か的中させ500インドルピー(1000円)ほど浮いていた。

 40分ちょっとそこでプレイしていたけれど、2階のフロアからは誰も下りてこない。まだテーブルにつけずにウロウロしているのかと思っていたら、R君が一人、1階フロアに下りてきた。

「負けました……」
「えっ! チップ無くなったの!?」
「はい……」

 テーブルにつけずにウロウロしているかと思いきや、みんなしっかりテーブルにつき、ルーレットでプレイしていたらしい。そして早くも最初の脱落者が……。

「みんなはどうなの?」と聞くと、「ちょい沈みくらいで上でやってますよ」と言うので、ちょうどきりのいいところで換金し、T君とともに急いで2階のフロアにかけあがった。

 H君、Y君はルーレットテーブルについてプレイしていた。チップを見ると、二人とも50枚あったチップが10〜20枚くらい減っていた。それでも勝ったり負けたりしながらカジノを楽しんでいる様子。というか、あまりにしっかり満喫していて驚かされた。
 初カジノに萎縮しているかと思いきや、2人のシートの間に置かれたミニテーブルにはから揚げの盛り合わせとフルーツの盛り合わせ、それに生ビールが置かれている。他の客は食事など頼んでいないというのに、このずうずうしさ。
 小額の張りしかしていないくせに、「タダ」なことをいいことにやりたい放題やっている。さすがは貧乏パッカーだ。
 僕も1階のフロアですでに生中2杯、マルボロ1箱をゲットしているので人のことはいけないのだけれど、普通のカジノ初心者がやることではない。
 
 せっかくなので僕も2人の隣に陣取り、一緒にプレイすることにした。最初は様子を見ながら小額ずつ賭けていったのだけれど、いっこうに当たらない。30分くらいしてようやく3点賭け、4点賭けがちょこちょこ当たるようになり、なんとか原点に復活した。
 そうしている間にも料理は次々と運びこまれている。「ポテトフライ! チャーハン! ビールおかわり!」酒飲みのH君などは生中6杯目、途中からはビール瓶ごと用意され、Y君と二人でビールを注ぎあいながら「おっとっと」なんて言っている。
 完全に居酒屋状態だ。こんなの今まで行ったカジノで一度も見たことがない。

 カジノのスタッフもさすがに気を悪くするだろうと思ったけれど、その逆で、珍しい日本人客に片言の日本語でしゃべりかけ、面白がって相手をしてくれる。しまいには「これはネパールの特別料理です」と言って、頼んでもいないおつまみを出してくれた。
 テーブルは他の客が少しずつ減り、途中からはT君も加わってほとんど日本人テーブルになった。4人分合わせても他の客ひとりの半分の額も賭けていないのに、すっかり場の雰囲気を占領してしまった。まさにやりたい放題だ。

 すっかり居酒屋気分で盛り上がる「ホリーランド」カジノ部。肝心のギャンブルのほうはどうかというと、最初は調子のよかったT君が途中からまったく当たらなくなりチップが尽きて脱落。のこりわずかなところから何度も盛り返して粘っていたH君も飲むのと食うのに集中しすぎて脱落していった。
 残るY君は4点賭けがコンスタントに的中して少し沈みのところでずっと粘り続けている。そしてカジノ部部長の僕はというと……、
 しっかりチップを積み上げ、50枚あったチップを倍くらいまで増やしていた。

 これは中盤に一桁台の数字が続いた時、1点賭けを何度か的中させたからだけれど、まあこれはたまたま。みんなから「さすが経験者」という目で見られるのが申し訳なくもあり、照れくさくもあった。

 3人の脱落者が出て、プレイ時間も3時間をこえたので、しばらく2人でプレイしたあと席を立つことにした。最後にチップが少し減ったけど、Y君は原点から少しマイナス、僕は800インドルピー(1600円)のプラスだった。
 
 旅人にとっては少々痛い金額を失った部員たちも初カジノを体験でき、3時間近くカジノの雰囲気を楽しめた(というより、楽しみすぎた)ので、かなり満足しているようだった。


 カジノを出たのは夕方5時半。いったん宿に戻り、そのままみんなで飯を食いに行くことにした。H君が連れて行ってくれたレストランは、ネパールのお酒「トゥンバ」を出してくれる店だった。
 トゥンバとはクシコビエの実に麹を入れて発酵させたもので、お湯をそそいでクシコビエの実と混ぜ、白いアルコール分がでてきたらストローで吸う。味は日本のにごり酒に似ているだろうか。
 4杯お湯をおかわりして飲んだけど、値段は50ルピー(60円)。そのレストランは酒のつまみもまあまあ安く、久し振りにのんびりくつろぎながら酒が飲めた。

 会計は5人で530ルピー(640円)。カジノで勝ったので僕が500ルピー支払った。たった600円だけど、みんなから感謝されていい気持ち。今日はカジノ部部長の面目も保てたし、美味しい酒も飲めて非常に楽しい一日だった。



ネパールのお酒「トゥンバ」。



author:tiger, category:ネパール編, 14:24
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古都パタンに行ってみる
旅日記第3部 《インド編》
旅を始めて53日目
現在、ネパールのカトマンドゥにいます。


 カトマンドゥ8日目。今日は同じ宿に泊まっているMさんがパタンに行くというので、今日チェックアウトすると言っていたH君を強引に誘って、3人でパタンに行ってきた。

 パタンはネワール文化の栄えた古都で、カトマンドゥのバス乗り場からワゴンバスに乗り、30分ほどでで行ける(11ルピー、13円)。
 町につくとまず向かったのがダルバール広場。カトマンドゥよりも規模自体は小さかったものの、こちらのほうが雰囲気がよく、寺の造りも面白かった。










 そのあとはゴールデンテンプル、クンベシュワール寺院とまわり(ここではちょうど結婚式をやっていた)、マハボーダ寺院をまわり、寺ばかりまわって観光は終了した。所要時間は約2時間、簡単に観光が終了したので、昼飯を食う安食堂を探しながら、町をプラプラ歩いていた。


クンベシュワール寺院


ここでは結婚式をやっていた。


マハボーダ寺院


 この町は仏像屋が多く、仏像を実際に作っている人もたくさん見かけた。しばらく歩くと表でうまそうな肉を焼いているローカル食堂を発見し入ってみた。店内はテーブル2つが置いてあるだけの小さなつくりで、厨房も部屋の中、厨房の前の棚には酒が並んでいた。
 どうやらここは地元民の行く居酒屋のようだ。ネパールの地酒・ロキシーもあるというのでそこで昼飯を食うことにした。
 ロキシーはホームメイドで作っている店も多く、安価で飲める。一杯5ルピー、10ルピー、20ルピーのものがあり、10ルピー(12円)のロキシーを頼んで、おつまみになりそうなお惣菜を何皿か頼む。つまみもなかなか美味く、ロキシーを3杯飲んだらいい気持ちになってしまった。


仏像を作る人たち


水を汲みにきた人たち


食堂のおばちゃん


 2時間近くその居酒屋で長居して、2時半になったのでバスに乗り場へ向かい、行きと同じようにワゴンバスを捕まえてカトマンドゥへ戻る。昼間から酒を飲んだので帰りのワゴンバスは爆睡だった。どうも観光しにきたというよりは飲みにきたという感じのパタン観光だった。

 宿に戻ってしばらく休んだあとは、昨日行ったトゥンガのお店へ。ここでもお湯を4杯おかわりして、宿に帰ったあとは停電中の屋上でロウソクを灯しながら、日本人パッカーたちとトランプの「大富豪」をして楽しんだ。トランプの最中もスーパーで買ってきたボトルウィスキーを1本飲み干してしまった(180ml)。

 なんか今日は飲んでばかりいた1日だった。そういえば、昨日も一昨日も昼間から酒を飲んでいる。さすがにちょっと自粛したほうがいいかもしれない……。



author:tiger, category:ネパール編, 14:26
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お土産を買うならカトマンドゥ♪
旅日記第3部 《インド編》
旅を始めて54日目
現在、ネパールのカトマンドゥにいます。


 今日の夕方、明日のポカラ行きのバスチケットを旅行会社に買いに行った(325ルピー、395円)。というわけで、長く滞在したカトマンドゥも今日が最終日、最終日に何をしたかというと、土産物探しだ。

 ここカトマンドゥは土産物屋が無数にある。そして品数、種類が豊富で何より安い。ここと同じような国が南米のボリビアで、金がない貧乏パッカーの間では「ボリビアかネパールで土産を買え!」という定説ができつつある。

 カトマンドゥに来て以来、町を散策するたびに、いい店があると値段交渉し、すでにいくつか購入していた。ネパール服、お香、お香たて、ペンダント……。もう少しほしいなと思っていたら、H君がいい店があるよと教えてくれた。

「ヘンプハウス」。そういえば、コルカタで会ったTちゃんもその店を勧めていた。この店はヘンプ製品を中心に販売している店で、とにかく値段が安い。それも最初の言い値が安いので、値段交渉する必要がない。
 宿の近くにショップがあるが、そこから歩いて5分ほどの場所には倉庫兼作業所があり、そこでも品物を購入することができる。倉庫には壁一杯に棚があり、袋詰めにされた商品がところ狭しと収納されている。

 実は昨日の夕方にもこのお店に行ってショルダーバッグや小銭入れなどを計10点ほど購入していた。合計金額は200ルピー(240円)。昨日は時間があまりなく、ちゃんと商品を見てまわれなかったので、今日も「ヘンプハウス」に行くことにしたのだ。

 2時間ほど作業所の隅に座りこんで袋を並べ、一心不乱にお土産選び。悩んだあげく、ベルト、小銭入れ、デジカメ入れ、帽子、バック、財布、筆記用具入れなど今日も計11点を購入した(合計で600円くらい)。
 明日またここに来れば何か買ってしまいそう。そう思わせられるようなお店なので、カトマンドゥに来る人はぜひこの店に足を運んでほしい。






 ところで、昨日無理やりパタン行きに誘ったH君は、今日カトマンドゥを出る予定だったけれど、5日くらい前から始まったストライキが長引きそうで困っていた。ストライキによってインド国境までの公共機関が全てストップしているらしいのだ。
「あと3日でネパールビザが切れる〜」とうめいていたが、国境から26キロのところまではなんとか行く手段を見つけたらしく、明日にとりあえずカトマンドゥを出ると言う。「そこまで行けばなんとかなるでしょ」と言っていたけど、まあ彼ならなんとかなるかな。

 こちらもポカラのあとは陸路でインドに戻る予定なので、人事ではないのだけれど……。
author:tiger, category:ネパール編, 14:27
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