日本を出発してから322日目
ただいま34カ国目
南アフリカのヨハネスブルグにいます
いよいよアフリカ大陸を脱出! 最後の大陸、アジアへ!
というわけで、今日の飛行機でアフリカ大陸を脱出する。10月23日にタンザニアに入って以来、1ヶ月半にわたってすごしてきたアフリカともお別れだ。
はっきりいって、アフリカ大陸……
めっちゃよかった!!!
それはもう予想をはるかに上回り、楽しい思い出ばかり。黒人に対するイメージもアフリカに対するイメージも大きくかわり、何もかもが新鮮だった。現地人との距離もこの大陸が一番身近だったように思う。
子供も超元気! みんな人懐っこくて、町を歩きながら話をしているだけで飽きることがなかった。
特に田舎の村。これはいい。これまで何度も書いてきたけれど、たいした観光地はないくせに(それがいいのかもしれないけれど)、本当に面白い経験をたくさんさせてもらった。
ありがとうアフリカ大陸!
てなわけで、アフリカ大陸とお別れして、いよいよ最後の大陸アジアを目指す。
アジア大陸は当初の予定では3ヶ月くらいあったのだけれど、残すところ1ヶ月になってしまった。
1月に帰国しないといけないのは、僕が使用している世界一周航空券の期限が1年間と決まっていること、それから、来年1年間を北京で過ごそうと考えていることからで、これは本当にもったいない。
南米、中米、中東、欧州、アフリカ……。ほとんどすべての地域で予定よりも少しずつ長居してしまい、そのツケが最後のアジアにまわってきたかんじだ。
けれど、それらの地域は金銭的にも時間的にも日本からは行きにくい。その点アジアは近いし、来ようと思えばまた来れる。
今回の旅でマイレージも6万マイルくらいたまるはずなので、それを使ってまたこよう。
考えてみれば、アジアが最後で本当によかった。アジアを初めにまわって最後に南米とかにしていたら、南米を削るはめになり、後悔してもしきれなかっただろう。
で、3ヶ月から1ヶ月に縮小したアジア行。どっかを削るしかないのだけれど、思い切ってインドとネパールを削ることにした。
南アジアをとるか、東南アジアをとるかの選択で、かなり迷ったのだけれど、どうしてもベトナムを再訪したい理由があったので、東南アジアをとることにした(再訪の理由はまたブログのどこかで)。
インド、ネパールはまた近いうちに訪れよう。
アジアまでの飛行機はキャセイパシフィックをこの旅で初めて利用した。この航空会社がすごくよかった。というか、かなりラッキーなことがあったので報告しておこう。
この飛行機、シートにはモニターとリモコンがついていて、好きなテレビや映画が見れる。好きなラジオや音楽も聴け、好きなゲームまでできる。
おまけに機内食もなかなか美味い(もちろん酒は飲み放題)。まさに快適な空の旅だ。
普段ゲームはまったくやらないくせに、なぜかこういうところではゲームがしたくなる。昔、ゲーセンによく置いてあった「シャンハイ」というゲームに興じていると、スチュワーデスのお姉さんに声をかけられた。
「すみません。申し訳ありませんが、お仕事をされたいというお客様がいらっしゃいまして、もしよろしければライトのつかない席に移動していただくことはできないでしょうか?」
彼女は日本人スチュワーデスで、日本人の僕に声をかけやすかったのだろう。申し訳なさそうにお願いしてきた。
ライトの壊れた席へ移動するのは面倒くさかったけれど、せっかく僕に声をかけてくれたのだからと、そこは素直に移動することにした。
この席の移動が思いがけないラッキーだった。
移動した席は確かにライトがつかなかったが、それよりもゲームの調子が悪く、熱中していた「シャンハイ」ができないことが痛かった。
「うわー、失敗したー」と席を移動したことを後悔していると、さっきのお姉さんがやってきた。
「すいません、ここ、ゲームができないんですけど……」
「ええっ、そうですか。本当にすみません。どうされますか? 移動されますか?」
「いや、このままでいいです。あとは寝てますから」
ちょっと大人なところを見せて我慢してみたものの、めずらしく目がさえてあまり眠くない。暇をもてあまして機内雑誌を読んでいると、またさっきのお姉さんがやってきた。
「本当にすみませんでした。もしよろしければ、お詫びの気持ちに当社からワインかチョコレートを差し上げたいと思うのですが、いかがでしょうか」
「ええっ、いいんですか? すいません。それじゃお言葉に甘えて、ワインを」
いただいたワインはアルゼンチンはメンドーサ産の赤ワイン。メンドーサはこの旅でも一番最初のほうで訪れたワインの町で、そこのワインは本当に美味しかった。航空会社が出すものだから、たぶんこのワインも美味いだろう。うーん、いいことはしておくもんだなあ。
さらに、しばらくして、またさっきのお姉さんがやってきた。
「さきほどは本当にすみませんでした。もしよろしければ、当社から免税品の商品券を50ドル分お詫びの気持ちに差し上げたいのですが……」
「ええっ、本当ですか? 50ドル分も!」
「はい。本当に申し訳ありませんでした」
こんなにしてもらっていいんだろうか。さっきまで暇つぶしに読んでいた機内免税品販売のパンフレットから、50ドル分の商品を購入できるなんて……。しかもさっきは赤ワインまでもらってるのに……。
キャセイパシフィック、なんて素晴らしい航空会社なんだ。もうラッキーすぎてニヤケがとまらなかった。
結局、熟考の末、携帯用髭剃り(33ドル)とマルボロを1カートン(15ドル)、さらに余りのでないようにトリートメントのパック(1・5ドル)をその場でいただくことにした。
こんなことなら、いつでも席をかわりますよ。キャセイのスチュワーデスのみなさん、困ったときはぜひ僕に一声かけてください。いつでも速攻で席を移動します。
最後の大陸、アジアへの序章はかなり好調な滑り出しをきった。残り1ヶ月でどれだけ楽しめるか。期待は膨らむばかりだ。