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バス会社にだまされ、国境で足止め
日本を出発してから314日目
ただいま32カ国目
ザンビアのナコンデにいます


 止まったバスでの宿泊はこの旅で初めてだった。朝8時にバスを降りて国境越えし、ビザ25ドルを払ってザンビアに入国すると、そこでもバスは止まったままだった。

「おーい、出発はいつなの?」

「夕方6時だ」

「ちょっと待ってよ。なんで夕方6時まで待たないといけないの?」

「いろいろ荷物を積まないといけないからね」

「…………。」

 そんなの知らないよ。そっちの都合でしょ。本当は今日の朝6時にはルサカに着いてるはずだたのに……。
 これから夕方6時まで何しろっていうの!

 というわけで、怒りが収まらぬままカフェへ。カフェには同じ被害に遭ったドイツ人夫妻もいて、一緒にこのバス会社をグチりあった。

 そのあとはずっと読書。こういうときに本があると助かる。現在読んでいる本はジョン・グリシャムの「パートナー」上下巻。これがなかなか面白い。元弁護士が自分を事故死にみせかけて海外逃亡する話だ。

 のんびりカフェで読書してたらけっこうあっという間に夕方6時になってしまった。
 バスに乗り込むとバスは通路から座席下から物でいっぱいだった。この荷を積むために今日1日使っていたらしい。僕らを待たせておいて……。
 安いタンザニア物資をザンビアで売りさばくのだろう。乗ってる客に対してはホントいい加減、あー頭にくる。

 みなさん、タンザニア・ザンビア間の移動は「ファルコン」というバス会社を使うのはやめましょう。痛い目に遭います。
(ちなみにこの会社のスタッフに小額の両替を頼んだら、かなりボられそうになった)

 本日、なんとかザンビアに入国したわけだが、僕はこの国のことを何も知らない(本当はタンザニアからマラウイ、モザンビークと移動する予定だったので)。
 言語も知らなければ、ビザの有無も知らなかった。換金レートもお金の単位も知らないし、地図のたぐいはいっさいない。
 全く資料なしで、とりあえず何とかなるだろうという実にいい加減なかんじで入国してしまったのだ。
 
 今後の予定はルサカに行ったあと、リビングストーンに移動。そこでビクトリアフォールズを見て、そのあと国境越えしてジンバブエ。

 果たしてうまくいくだろうか……。乞うご期待!
author:tiger, category:Zambia, 16:20
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ザンビアのルサカ
日本を出発してから315日目
ただいま32カ国目
ザンビアのルサカにいます


 早朝6時半。バスはダルエスサラームを出発してから48時間半かけてようやくルサカに到着した。
 
 何も資料のないルサカ。何も知らないザンビア。そして今日はここルサカでトラブルに遭ってしまった。
 このトラブルはここではふせさせてもらおう。自分勝手なブログなのであまり嫌なことは書かない主義。ご理解あれ。

 というわけで、多少ヘコみながらルサカを観光。
 といっても、どこが観光地かも知らないし、とくに観光地に興味があるわけでもなかったので、いつものどおりに市場に行って、スーパーに行って、土産物売り場にいってポストカードを買って、郵便局に行って切手を買って、ハガキを投函……そんなかんじだった。

 地図がないので、現地人に道を聞きながら進むしかない。それはそれで何とかなるもんだった。
 途中、現地人のおっさんに声をかけられた。彼は2、3枚の手作りの絵葉書を僕に見せ、僕に興味があることがわかると、黒い革のカバンの中から絵葉書の束を取り出してきた。
 ハガキには鳥の羽をうまく切り貼りして現地人女性が描かれていた。彼が自分で作ったものなのだろうが、料金は2000クワチャ(50円)。手作りの品でこの値段は現地の物価からしてもかなり安かった。

 彼は僕が1枚1枚ハガキを見ていくのを横で嬉しそうに見つめている。他の売り手みたいに途中で口をはさんでこない。

「このハガキは日本の友達に送るんだよ」

 と言うと、彼は本当に喜んでくれ、ハガキといっしょに封筒もタダでくれた。自分の作品が異国の知らない人のところに届くのが本当に嬉しいらしい。ちょっといい出会いをしたなと思った。

 宿はというと、まったくアテがなかったので、とりあえず「バックパッカーズ」を探してみることにした。バックパッカーズは世界中にある旅人用の安宿で、まあまあ信頼できる。
 タクシーに乗ってたどりついたのは「チャチャチャ バックパッカーズ」。この宿はとにかく設備がすごくよかった。プールはあるわ、バーはあるわ、おまけにキッチンまで使い勝手がいい。庭も広くて、まるでアフリカにいるのを忘れてしまいそうな宿だ。
 1泊12ドルは予想以上に高かったが、もうルサカの町は明日出ようと思っていたので、1泊だけならと思い泊まることにした。重いバックパックもあることだし。



 せっかくキッチンがあるので、今日は久しぶりにスーパーで買った食材で自炊することにした。

 久しぶりに作ったスパゲティの味はイマイチだった。原因はこちらのトマトケチャップがジャムみたいな感じであまり美味くないからだろう。

 残念!
author:tiger, category:Zambia, 16:54
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リビングストーンで出会った島根県出身アスリート
日本を出発してから316日目
ただいま32カ国目
ザンビアのリビングストーンにいます


 今日の午前中はバスでルサカからリビングストーンに移動。6時間半かけて午後3時半にはリビングストーンに到着した。

 バスの移動途中、ゴスペルおばさん集団が乗り込んできて、乗っている間中、ゴスペルを歌っていた。これはタダで聞けてラッキーだった。


ちょっと仲良くなった。


 ルサカ同様にここリビングストーンでも宿情報がない。地図もないので、とりあえず近くに「バックパッカーズ」があるかどうか聞いてみる。

「ジョリーボーイズ バックパッカーズのことか?」

「イエス、イエス、センキュー!」

 どうやらあるらしい。それならとタクシーを見つけて10000クワチャ(330円)で交渉。案外すんなりオッケーしたなと思ったら、バスターミナルからわずか徒歩5分の場所だった。これは失敗した。

「ジョリーボーイズ バックパッカーズ」はドミトリーが一泊8ドル。ここもルサカのバックパッカーズ同様、プールとバーがあって居心地がいい。キャンプサイトにもなっていて、多くの欧米人がバカンスに訪れていた。


「ジョリーボーイズ バックパッカーズ」




 
 夕方、日本人らしき女性がいるのを発見して声をかけると、彼女は海外青年協力隊でこの地にきているらしい。
 彼女は元システムエンジニアで、ここではパソコンを教えているのだそうだ。予定では2年間。ここに来て7ヶ月になるが、とくに困ったことはないという。

 もうこれは、彼女がたくましいというより、ここが住みやすい場所だということだろう。リビングストーンはかなり治安がいい。食事もちょっと金を出せばなんでも食える。
「住めば都」という言葉もあるが、住んでみるとけっこうなんとかなるもんなんだろう。最近そう思うようになった。

 夜中にはまた別の日本人と出会った。この宿に宿泊している3人組で、彼らはここザンビアにカヤックをやりに来ているらしい。
 3人とも四国の吉野川にあるカヤック(ラフティング)の会社で働いているらしいのだが、今はちょうどオフシーズンなので、ここにやってきたという。

 なんでもここのザンベジ川は世界でも有数のカヤック、ラフティングの名所なのだそうだ。もちろん僕はそんなこと知るはずもない。

 カヤックとはどんな競技かご存知だろうか? 僕もそんなに詳しいことは知らなかったが、ようは一人乗りの小さなボート(2人乗りもある)に乗ってオールを上手く使いながら川を下っていく競技である。
 ちなみにラフティングはというと、もっとでっかいゴムボート(6人〜8人くらいまで乗れる)で川を下る競技だ。

 そのなかに一人の女性がいた。話を聞くと、彼女はマキさんといい、なんと島根県出身だという。こんなとろこでもまた島根県出身者と出会ってしまった。島根県出身と聞いただけで妙な親近感が湧くのはやはり圧倒的に数が少ないからだろう。

 マキさんははじめ大阪でOLをしていたそうなのだが、休み中に始めたカヤックにはまってしまい、競技者に転向したのだという。日本選手権ではだいたい1位か2位。ワールドカップにも出場経験があるらしい。
 こんなすごい島根県人がいるとは……。ぜんぜん知らなかった。僕も頑張らねば。

「タイガーさん(仮名)はここでラフティングとかしないんですか?」

「ええっ、全く考えてなかったですよ。やったこともないし、僕なんかにできるんですか?」

「絶対大丈夫ですよ。ここのザンベジ川はみんなが憧れる最高のポイントですよ。ここに来てやらないなんてもったいないですよ」

「そうですか? じゃ、やります」

 てなかんじで、ラフティングをに初挑戦することになってしまった。やることに決めたのはいいけれど、あとで見せてもらったラフティングのビデオがあまりにすごい映像ですこしたじろいでしまった。

 本当に大丈夫なんだろうか……。
author:tiger, category:Zambia, 19:08
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世界3大フォール最後のひとつ「ビクトリアフォール」
日本を出発してから317日目
ただいま32カ国目
ザンビアのリビングストーンにいます


 昨日参加が決まったラフティングは明日やることになり、今日は本来の目的であったビクトリアフォールを見に行くことにした。

 僕は滝が大好きで、実は実家の裏山にも滝がある。今回の旅では「世界3大フォール」と呼ばれている3つの滝を全部見てやろうと思い、これまでにイグアスの滝とナイアガラの滝をすでに見てきた。
 イグアスはその迫力とスケールのでかさに脱帽。ナイアガラはその都市化された滝の周囲にげんなりした。さあ、最後のビクトリアの滝は僕にどんな感想をもたせてくれるのだろうか。


 宿から無料の送迎バスが出ていたので、それにのってビクトリアフォールへ。入場料は10ドルとやや高いが、そんなもんここまで来て見ずに終われるはずがない。

 入場料を払って公園内に入り、川沿いにつづく小路を歩いていくと、すぐに滝に出た。岩盤からいく筋かの水流が流れ出している。






公園内にはサルもいた。

 先へ進む。メインどころの滝はどんなふうになっているのだろう。今回はあえてこの滝の写真や映像をできるだけ見ないようにしてきた。噂では地上の裂け目に流れ落ちるような水流が見所らしいが……。

 さらに歩くこと5分。岩盤から流れ落ちる水量がしだに増えてきた。水流の上に虹がかかっている場所もある。
 さあ、この先はどうなっているんだろうか……。





 さらに歩くこと5分。次第に水量は増えているものの、お目当ての巨流が見当たらない。
 と思っていると……あれ、この先、道がないぞ? どうすりゃいいんだ?
 
 な、なんと、終わってしまった……。

 もう少し先のほうでは水煙も見えるが、どうやらそちらはジンバブエ側の滝でこちらからは見ることができないようだ。
 今回の状態をはっきり言ってしまえば、

 今はちょうど「水不足」なのである。

 本来なら岩盤からはどこからも水が流れ落ちているはずなのに、何本かの筋にしかなっていない。1ヶ月前はこれよりひどかったらしいから、まだマシらしいが、少し来るのが早かったのかもしれない(といっても日程上、これ以上遅くはできないけれど……)。
 
 正直、残念だ。水量のある滝を見てがっかりするならまだしも、完全体でない滝を見て終わるなんて……。
 あまりにも悔しかったので、無理やり岩盤側にまわってジンバブエ側の滝を見に行った。


水はきれいだった。




あの水煙がジンバブエ側。

 岩を飛び越え、川のなかを歩きながら進んでいく。途中にあった進入禁止の看板も無視。ボロボロだったので気づかなかったことにすればいい。
 20分くらいかけて、なんとかうまく水煙の裏側までたどりつくことができた。

 が、さあどうなってるんだ……と近づいたところで警備員に止められてしまった。

 うーん、くやしい。


一緒に後ろからついてきた家族。


この看板は無視したのだが……。

 帰りがけにはザンビアとジンバブエのちょうど国境に架かる橋で行われているバンジージャンプを見に行った。
 1回飛ぶのに100ドルかかるらしいが、金額よりも僕はそれ自体、死んでもできない。というか、やったら死ぬ。
 元気まんまんの中国人女性が飛び降りていたけれど、見ているだけでおなかいっぱいだった。


橋の真ん中。ここから向こうがジンバブエ。


かわいいガキんちょがいた。


おーコワ。


うーん、バカ。

 わが友人T橋君がタイでバンジージャンプをした際に30分飛び降りられなくて仲間うちで「ビビリ」の称号を手にしているが、今ならその気持ちもわかる。バカでしょ、こんなんやる人(まあ、バカは好きだけど)。

 今日は滝で2人の日本人に会った。一人は海外青年協力隊でデザイナーとしてザンビアに来ており、もう一人はジャイカ(JAICA 国際協力機構)で来ているという。35歳と27歳、2人とも普通の日本人だ。
 僕ももちろん普通の日本人。今はもう、普通に日本人が海外で生活する時代なんだなあと思った。


公園内の土産物売り場。ここでは簡単に友達と兄弟が増える。

 
author:tiger, category:Zambia, 19:10
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ザンベジ川でラフティングに初挑戦!
日本を出発してから318日目
ただいま32カ国目
ザンビアのリビングストーンにいます


 今日はラフティングに初挑戦した。

 今ここでブログを書いているということで、とりあえず命は無事だったのだけれど、最初は初挑戦でいきなりこんなレベルの高いところ、本当に大丈夫かと心配だった。
 でもここは島根県出身のマキさんの言葉を信じた。そして、信じた結果、大正解だった。

 思えば、僕の旅はほとんどの初挑戦が世界の本場といわれる場所で行われている。
 スキューバーダイビングがエジプトの紅海。シュノーケリングも世界で有数の透明度をほこるメキシコのコスメル島。サルサはメキシコ、キューバで踊ったし、今回のラフティングも世界的に有名なザンベジ川。本当に贅沢な経験をさせてもらっている。

 ツアーは人数が集まらないと出発できないらしい。昨日の時点では微妙だったのだけれど、今日の朝になって人数が集まり、急いで準備をして参加することになった。
 半日ツアーで110ドル。ちょっと高いが、せっかくなのでここでは気にせず使ってしまおう。


公園の入り口でゼブラ発見。


カヤック組のマキさんとTさん。

 コースは昨日見たバンジージャンプの橋のやや上流からスタートして全部で10個のポイント(激流)を通過する半日コースだ。場所としてはビクトリアの滝のやや下流ということになる。

 今回の参加者は僕のほかに欧米人カップルが1組の3人で、それにガイド兼舵取りのスティーブが加わり、計4人でボートに乗り込む。
 ラフティングは安全には細心の注意がほどこされているが、それでも自然を相手にした危険なスポーツ。ガイドの他にセーフティカヤックが一人、補助としてついていなくてはならない。
 これはカヤックに乗ってラフティングボートの近くをついてまわる役目で、今回はニュージーランド人のニックが務めてくれることになった。


ラフティング初挑戦!

 心強いことに、マキさんもカヤックで僕らのボートの周りをついてまわってくれるという。おまけに写真も撮れたら撮ってくれるそうだ。(別に一人カメラマンはいたけれど、めちゃめちゃ高いのでとても買えない)
 
 ラフティングの最中はもちろんカメラなんて撮れない。ヘルメットに救命胴衣をつけて、素足でボートに乗り込むと、ろくにオールの持ち方もわからないままボートは出発してしまった。

 目の前には早くも第1ラピッド(激流)が待ち構えている。この流れはレベル4で、しょっぱなからかなり高度な流れだ(レベルは全部で5段階)。もう、それこそ見ているだけでおっかない。
 こちらが準備をしている間に小柄なマキさんはスイスイと急流を乗り越えていった。水の流れがうねり、ボートの何倍もある白い波の壁が自分の目の前に立ちはだかっているというのに、ものともしない。さすがだ。

 こちらはというと、てんやわんやの大騒ぎ。
 激流に突入する前は一気にオールを漕いで、激流に突入する寸前でボートの淵のロープを持って伏せるのだけれど、あまりにも流れが急すぎてどうしていいやらわからない。



 激流に乗った瞬間からはもう神頼みみたいな状況だった。なんとか転覆することもなく、岩にぶち当たることもなく、無事に普通の流れに戻れると、ほっと胸をなでおろした。
 
 うーん、やっぱりちょっとおっかない。



 つづいて休む間もなく第2ラピッド。これは最初よりは勝手がわかっていて、激流に入ったあともしっかりボートの先端を見ながら波乗りを楽しむことができた。

 うーん、なんだか楽しくなってきた気がする。




 第3ラピッド、第4ラピッドとつづくうちに、恐怖はまったくなくなり、楽しくてヤバくなってきた。そしてむかえるは第5ラピッド。

 ここは本当にヤバかった。激流に入ったとたん、波の白い壁が映画館のスクリーンのように目の前に現れて、ボートの前にたちはだかる。
 もう逃げ場はない。ボートはそのなかをつっきって上下動しながらもなんとか転覆せずにすんだものの、激流を抜けてからもしばらく興奮がおさまらなかった。
 この激流は本当にヤバいし、それが本当に楽しくてヤバい。








これはカヤック



 このあとはボート下りならぬ、「自分下り」というのもあった。ボートから飛び降り、激流のなかに自分の身体ごと入っていくのだ。
 この川は水深が深いので左右の岩にさえ気をつけていればいいし、救命胴衣がしっかししているのでおぼれることはない。おまけに何かあったときにはセーフティカヤックのニックが近くにいてくれる。
 これは本当に気持ちがよかった。自分が激流に飲み込まれるという経験ができたのもよかったし、救命胴衣を着て流される人の気持ちになれたのもよかった。





 さらに川下りは続き、いよいよ最難関の第9ラピッドまでたどりついた。もうここまでくれば気分は楽しいだけだった。もっと急流を、もっと激流をと思っていたのだけれど、ここの激流は激流すぎた。

 激流に入ったとたん、今までにないほどボートが上下に揺れ、波を乗り越えられないで舳先から反対向きにボートが転覆してしまった。

 生命の危機!!!!

「ボートから放りだされそうになっても、ボートの脇のロープはしっかり握っておくように」
 そう言われたことだけをたよりに、必死でロープを握り締める。

 鼻から口から水が入り、ボートが裏返しになったものだからボートの下に入り込んでしまって息ができない。
 慌ててロープをたぐりよせて水面から顔を出すと、ガイドのスティーブがボートの上に乗って、僕を裏返しになったボートの上にひきずりあげてくれた。
 裏返しになったボートはひとりではなかなかひっくり返せない。二人の体重をかけてボートをひっくり返すと、這うようにしてボートによじのぼった。

 欧米人カップルの姿は見当たらない。よく探すと、ずっと下流のほうでセーフティカヤックのニックとマキさんに救助されていた。彼らはロープから手を離してしまったようだ。

 あとで聞くと、ここは転覆させる場所なのだという。とんだハプニングはラフティング最大のドキドキイベントだったのだ。
 それにしても、ここの激流はすごかった。ボートが転覆したと同時にガイドのスティーブが持っていた巨大な木製オールは半分に折れ、スティーブはヒザと手の甲に怪我を負ってしまった。
 幸い軽傷で済んだようだが、それでもコースは自然が作り出したものなので何が起こるかわからない。
 楽しいばかりのラフティングも最後にちょっと危険を感じることができた。でもやっぱり、それを含めて楽しかった。

 今回は半日ツアーなので、このあと第10ラピッドを乗り越えてツアー終了。1日ツアーだとこのあとラピッドは23まで続くそうだ。


 ――うう、もったいない。せっかくだから第23ラピッドまでやりたかった。

 結局ラフティング自体は2時間ちょっとかかったけれど、ぜんぜん飽きるということがなかった。
 この先機会があれば、またラフティングに挑戦してみたい。けれど、正直やるんなら、やっぱりこのザンベジ川でやってみたい。
 それほどすごい激流だったし、僕が驚いたのは激流越えもさることながら、その景観。流れのゆるやかなところで見渡せる景色は本当に最高だった。





 みなさんも機会があれば是非ザンベジ川でラフティングを! 大丈夫、初心者でもできます!

 今日の夜はマキさんにこれまでの競技者生活について、詳しく話を聞いた。
 世界的にどの地域が盛んで、日本にはどれくらいの競技者がいるのか。日本の競技者はどのように生計をたてていて、実際に費用はどのくらいかかるのか。そしてマキさんはそのなかでどうやって生きてきたのか……。

 本当に興味深い話だった。ここでは長くなるので書くことはしないけれど、自分でももう少し勉強してみようと思う。

 僕にラフティングをすすめてくれたマキさんには本当に感謝。マキさんがいなければこの地でラフティングをすることは多分なかったはずだ。これも旅の偶然の出会いがもたらした幸運だ。

 頑張れ、マキさん! 同じ島根県出身者として応援しています!


疲れたので、今日の夕食は豪華にステーキを自炊。

※写真提供/MAKI ASADA
 



 
author:tiger, category:Zambia, 19:12
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