- 23カ国目、ハンガリーへ
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2007.09.17 Monday日本を出発してから241日目
ただいま23カ国目
ハンガリーのブダペストにいます
今日は移動日。昨夜は駅のホーム泊だったので今日はハンガリーまでの列車で寝ることにした。
これから先、中欧をどう移動しよう?
ほとんどといっていいほど考えないで旅しているので、自分でもどうなるかわからない。いい場所があれば長居したいんだけど、ここはヨーロッパ。滞在費がばかにならないので、それもちょっときついところが残念だ。
列車では72歳の日本人男性の方と同じ席になった。72歳にしてロンドンで英語の勉強をし、そのままヨーロッパを旅しているのだという。僕が世界一周をしていることを伝えると、顔を近づけて聞いてきた。
「世界一周航空券というのがあって、それを使って……」
「えっ、今そんなもんがあるんですか。知らんかったなあ。よし、私もそれを使って世界一周しますわ。もう少し詳しく教えてください」
えっ! 世界一周しますわって、そんなに簡単に決めちゃうんですか!
72歳にしてこの好奇心、この向上心。まったくもって頭がさがる。自分もこうゆうふうになりたいもんである。
ブダペストについたのは夕方の5時。みんなで市内中心にある「アンダンテ」という日本人宿に向かった。もう観光は無理なので、今日はそのまま買出しにでてみんなで自炊。この町はみどころも多いみたいなので、明日からの観光が楽しみだ。
キュウリとナスの塩漬け、ズッキーニとソーセージの炒め物。
鶏の照り焼き
中華風鍋
- 240円でオペラ「フィガロ」を鑑賞
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2007.09.18 Tuesday日本を出発してから242日目
ただいま23カ国目
ハンガリーのブダペストにいます
今日は夕方からヒロシ君と国立オペラ座へオペラを見に行った。ヨーロッパに入ったら、どこかでオペラなりクラシックなりバレエなりを劇場で見たいなあとは思っていたのだけれど、そのチャンスがめぐってきたわけだ。
オペラの演目は「フィガロ」。オペラ自体を見るのも初めてだったけれど、言葉がわからなくても内容はだいたい把握できた。
チケット代金は、な、なんと400フォリント。日本円にして240円という安さだった。これはちょっと申し訳ないくらいに安すぎる。しかも劇場はかなり豪華な建築物で、内容も充実、3時間40分という長丁場の公演があっというまに感じられた。
これだけ安ければ庶民にも手がだせる。日本では敷居が高く感じられるオペラだけれど、ここでは庶民が気軽に足を運べる場所になっているみたいだ。
でも、だからといって、服装は軽装ではこない。オペラは正装をして見に行くものという文化が根付いているのだろう。もちろん旅人に正装など用意できるはずもない。とりあえずサンダルはスニーカーに履き替えたものの、あとは普段のラフな格好で会場入りしたのでかなり浮いていた。
幕の合間にはワインで休憩。(もちろん僕は断念)
宿に帰ったのが11時。12時半からは宿のみんなと「ダハブゲーム」なるものに参加した。このゲームは僕が沈没したエジプトのダハブで始まったゲームで、要は敵味方に分かれてだましあいをし、それを当てていくゲームだ。
途中、あまりにだまされて人間不信になるという恐れもあるが、みんなが一緒にわいわい話せて、すぐに名前を覚えられるという点ではなかなかいいゲームだと思う。
ゲームは盛り上がり、結局終わったのは朝5時。僕は嘘がつけず、すぐに顔に出ていつも簡単にバレてしまったけれど……。
- ブダとペストの架け橋
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2007.09.19 Wednesday日本を出発してから243日目
ただいま23カ国目
ハンガリーのブダペストにいます
ブダペスト3日目。今日は市内観光に繰り出した。まずはハンガリー名物の温泉から。
この国では温泉がでるらしい。昼前に宿を出て歩くこと40分でセーチェニ温泉に到着した。
入ってみると、ここはもうほとんど温水プール。硫黄のにおいはほとんどせず、それはそれで残念だったんだけれど、楽しかったのでよし。
温泉のなかでは入りながらチェスをやっている人やテラスでトランプをしている人もいた。どちらかというと家族で遊びに来る場所といった感じだっだ。
Sちゃんは高校時代、ノルウェーに滞在していたらしく、温泉でノルウェー人の修学旅行軍団と楽しそうに話をしていた。やっぱ語学力は大切だ。話せない自分がすこし寂しい。
1時間ゆっくり浸かり、その後はサウナにも入って、久しぶりにさっぱり汗を流せて気持ちよかった。
温泉を出てしばらく歩いたところで昼食タイム。ホットドックにビールを頼んで、一緒にいたヒロシ君とSちゃんと乾杯した。
次に訪れた西洋美術館ではビールがまわってかなり眠かったけれど、絵画自体はなかなか見ごたえがあった。しかも入場料がタダ。ブダペスト市内には多くの美術館、博物館があるが、入場料がタダのところが多い。これは助かる。
西洋美術館
次は中央市場。ここで食材を買い込み、今日の夕飯は3人で自炊することにした。ここは1階が食品、2階がお土産物を売っているのだけれど、お土産は結構高い。ちょっと手が出ないという感じだった。
でも、この国はフォアグラが安い。安いといってもしれているのだけれど、すごく小さい缶詰が30フォリント(180円)で売っていた。とりあえず自分用に1缶だけ買っておいた。
中央市場
フォアグラ。
中央市場を出たのが6時。7時半には日が沈むので、そのままドナウ川の橋を渡って向こう岸のゲッレールトの丘に登り、夜景を見ることにした。
10分かけて橋を渡り、20分ほど丘を登る。勾配はそれほどでもないのだけれど、登る前にスーパーで買った2リットルのビールが重い。今日は飲むぞと張り切ったのがわざわいしてしまった。
ゼーゼーいいながら頂上にたどりつくと、そこには葉っぱをもった銅像がライトアップされていた。
ドナウ川。川自体はあまりきれいではない。
ここからだとブダペストの町が一望できる。ブダペストというのはもともと西側の「ブダ」と東側の「ペスト」、それにオーブダという3つの町に分かれていたらしい。それが一緒になって「ブダペスト」になったのだ。
それならまかり間違えばこの地は「ペストブダ」になっていたのかもしれない、などとどうでもいいことを考えつつ、町を見渡す。
まだ明るかったので市内の様子がよくわかったが、中央のくさり橋を筆頭に、市内各地に大きくて立派な建築物が点在している。王宮、イシュトヴァーン大聖堂、オペラ座、国会議事堂……。
旅行者が東欧はいいよ。とよく言っているが、理由を聞くと、
「町がいい」
という返答をよく聞く。町の雰囲気は確かにいい。なんとなくそういうことかとうなずけた。
夜景を見ているとしだいに寒くなってきたので、丘から降りて宿に戻ることにした。途中、ドナウ川沿いに北上していると、ネオンに照らされたくさり橋がだんだん近くなってきた。
くさり橋はブダとペストをつないだ橋で、1849年に完成した。ネオンはなんか安っぽくて好きにはなれないけれど、近くまで来てその正体を確認すると、なるほどいい橋だと納得させられた。
宿に戻ったのは夜中10時。3人で写真を撮りまくっていてすっかり遅くなってしまった。急いで自炊を開始し、市場で買った肉で焼肉パーティ。
夜中には昨日にひきつづいてダハブゲームで盛り上がり、結局寝たのは5時だった。昨日も2時間しか寝てないのに……。
- ブダペスト観光2日目
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2007.09.20 Thursday日本を出発してから244日目
ただいま23カ国目
ハンガリーのブダペストにいます
今日は朝7時に起床。Sちゃんが今日の朝宿をたつので見送りをした。
2時間しか寝ていなかったので2度寝しようかとも思ったのだけれど、同じ宿のMちゃんが早起きしていて、これから町をまわるという。このまま寝たら今日は何にもしないと思ったので、昨日にひきつづき、そのままMちゃんとブダペストの町を観光することにした。
とりあえず、スーパーでパンを買って、ドナウ川沿いで朝食タイム。ドナウ川はいいかんじの川なのだけれど、近くで見るとけっこう汚い。
そのあとは昨日と同ルート。中央市場と近くのお土産物屋を物色して、ドナウ川を渡り、ゲッレールトの丘に登って昼間のブダペストの町を見た。そのあとは王宮へ。
王宮では周囲を一周して王宮と眼下の景色を楽しんだ後、国立美術館に入った(ここも入場料は無料)。絵画を見たあとはカフェでお茶。甘いものはあまり普段食わないんだけれど、ここのケーキはかなり美味かった。
そのあとくさり橋を渡り、西駅へ。西駅のすぐそばにあるマクドナルドは世界で一番豪華なマクドナルトという評判があったのでいってみたのだけれど、それほどたいしたことなくてがっかりしてしまった。
マックの外観はなかなか豪華
中はそうでもなかった。
宿に帰ったのは7時。結局今日も昨日にひきつづき2時間睡眠で10時間も市内観光をしてしまった。
今日は宿でスタッフとして働いているケイさんの35歳の誕生日で夜飯はみんなでケイさんを囲んでお祝いすることになった。
ケイさんはもともと旅人で、一時的にスタッフとして働いている人だ。
実はこの人、すごい旅人で、話を聞いたときには僕もかなり驚いてしまった。彼についてはまた余裕のあるときにゆっくり書きたいと思うので、とりあえず今日はここまで。誕生日で美味いもんをいっぱい食えたということだけ報告しておこう。
宿の人から差し入れしてもらいました。
これがケイさん。
- 警官に捕まり連行される!
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2007.09.21 Friday日本を出発してから245日目
ただいま23カ国目
ハンガリーのブダペストにいます
今日は朝からヒロシ君にギャモンで勝って朝食を作ってもらう。なかなかのすべりだしだったのだけれど、思わぬハプニングがあり警官に連行されてしまった。
といっても、そんなにたいしたことをしたわけではない。西駅に列車の切符を調べにいったら、構内で抜き打ちのパスポートチェックにつかまり、パスポート不携帯で御用となったのだ。
そんなに僕があやしく見えるのだろうか? いや、違う、これは一緒にいたヒロシ君のアゴヒゲが原因だろう。旅に出てから一度もそっていないというヒゲはすっかり伸び放題。あやしいと思われても仕方ないかもしれない。
パスポートを持ってないというと、3人いた警官のうち私服警官の一人が携帯電話でどこかに連絡をとりだした。ハンガリー語で喋っていたので内容はわからなかったけれど、とりあえず待っていろという。
少したつと警官がどんどん集まってきた。総勢6人。ええっ、パスポート不携帯ってそんなにヤバいことだったの!?
ちょっと不安になりながら待っていると、警官の中で唯一英語の喋れる私服警官が、
「あと30分ほどで車が来るから、それでホテルまで行ってパスポートを確認し、そのあとポリスまで車で一緒に来てもらう」
だって……。おいおい、勘弁してくれよ。ホテルに迷惑がかかるかもしれないし、このあとは夕方からミュージカルに行く予定になっている。ポリスは結構遠いところにあるし、調書を書くのにどれだけ時間がかかるかわからない。
これはまずい。ミュージカルのチケットを見せたり、こっちに都合の悪いところは向こうの英語がわからないふりをしたりして、さんざんごねた結果、なんとかホテルで調書を書くことで、ポリスには行かなくていいことになった。
警察の車が来るまで40分ほどその場で待つ。警官は禁煙のはずの駅の構内でタバコをふかし雑談している。6人いた警官も何かするわけでもなし、単にヒマつぶししているような感じだった。
うーん、くやしい。なんとかこの連行をネタにしてやろう。そう思って写真撮影を試みたのだが、カメラはダメだと言われあえなく断念。仕方ないので私服警官に身分を確認させろといってIDカードの写真を撮らさせ、連行中の車の中では後部座席から隠し撮りを試みた。
これが限界。
写真を撮るとひと安心、宿までの道が渋滞していたので、ついついうたた寝してしまった。
宿に着くと、部屋からパスポートをもってきて、身分を確認され、必要事項を書き込んで無罪(ではないか)放免。宿に迷惑もかからなかったし罰金もとられなかった。宿までの遠い道のりをタダで送ってもらえたということでよしとしておこう。
で、思わず忘れそうになるところだったが、今日のメインは警官に連行されたことではない。ミュージカル「オペラ座の怪人」を観にいったことだ。
一昨日のオペラにつづき、ブダペスト劇場第2弾は「ミュージカル」だ。
チケットは950フォリント(550円)。一昨日行ったオペラも240円だったけれど、一流の舞台がこの金額で見れるのだからたまらない。
ちなみに僕自身ミュージカルを観にいったのは初めて。どんなもんかと思っていたら、オペラと似た感じのつくりで分かりやすかった。
出演者も大勢いて、舞台装置もこってる。何よりその内容が素晴らしく、舞台を観ながら興奮して奮えがきそうなほどだった。
550円なので席はさすがにこんな感じ。
この人の演奏が最高だった。
最後には特別ゲストのフルート演奏者がフルートで「オペラ座の怪人」を演奏。これがまたよくて、宿に帰ってもずっと耳から離れない。もう一度同じ公演を観にいってもいいと思えるくらいだった。
- 無銭で世界一周! すごすぎる男との出会い
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2007.09.22 Saturday日本を出発してから246日目
ただいま23カ国目
ハンガリーのブダペストにいます
世界一周をしていると、多くの旅人と出会う。その中にはおかしな旅をしている人もたくさんいて、ぬいぐるみを抱いて旅している人や、地図を描きながら旅をしている人、バイクで2人乗りして世界をまわっている夫婦もいれば78歳のバックパッカーもいる。数え上げたらきりがない。
よくもまあ、そんなことやりますなと思ってしまうわけだけど、ここブダペストではそのなかでもぶっちぎりに変わった旅人と遭遇してしまった。
彼の名前は岩崎圭一さん。一昨日のブログでもちょっと触れたけれど、一昨日35歳の誕生日をむかえた旅人だ。
彼の旅がどうかわっているかというと、とりあえず旅を始めたのが6年前。旅に出るときに持っていた所持金は電車の初乗り料金160円のみで、最初は新宿のホームレスからスタートしたという。
彼の旅のスタイルはママチャリに乗り、手品でお金を稼いで、基本的に野宿をしながら移動していく。6年間かけて韓国からアジアを西に抜け、トルコからヨーロッパに入って、現在はハンガリーに滞在しているらしいのだ。
それだけではない。驚くべきことに、彼はその旅中になんとあのエベレストにも登頂を試み、見事成功している。さらにガンジス川を手漕ぎボートで下り、カスピ海を手漕ぎボートで横断しているのだ。
実はここブダペストには3日くらいの滞在予定だった。それを延長したのは彼、岩崎圭一さんの次なる目的地への出発をこの目で見送りたい、出発までに色々な旅の話を聞いてみたい、という思いが強かったからだ。
たしかに、彼の経歴だけを聞いたら誰もが驚く。でも、普通に聞いていたらあまりにも現実感がなく、逆にひいてしまう面もあるだろう。
それが旅の日程をずらしてでもなんとか見送りたいと思ったは、実際に彼と会って話し、その人柄と旅に対する姿勢に共鳴できたからだ。
岩崎さんのことをみんなはケイさんと呼んでいる。ここブダペストの宿「アンダンテ」には二ヶ月ほど滞在していて、宿のスタッフとして働くことで宿代をタダにしてもらっているらしい。
夜中、団欒室にいると、ケイさんは僕に旅のことについていろいろと話を聞かせてくれた。
「僕が無銭で旅をしているのは、世界を旅することは何もお金持ちにしかできないことではないと思ったからです。確かに日本はビザの面などでめぐまれているかもしれません。でも、お金がなくたって旅はできる。それを貧しい国の人にも知ってもらいたかったというところがあります。だから自転車で移動しようと決めたときも、あえて庶民の乗るママチャリを選んだんです」
「世界にはやさしい人がいっぱいいますよ。インド人だって、観光客からはお金をボろうとしてくるけど、僕が本当にお金がないことがわかると、大丈夫か?と言って本気で心配してくれるんです。でなきゃ、僕はここまで旅をつづけてこれませんでしたよ」
「僕がエベレストに登ると言ったときも、ガンジス川を手漕ぎボートで下ろうとしたときも、みんな口をそろえて、そんなの無理だと言いました。でも、どうすればできるかをちゃんと調べて準備をしたら、できるかもしれないんです。最初から諦めてしまったら可能性は本当になくなってしまいます。僕は今、太西洋を手漕ぎボートで渡ろうと考えているんですが、たしかにこれは難しい。でも、どうすればできるかをずっと考えながら旅しているんです」
ケイさんの言葉の一言一言が心に響いてくる。普段は冗談ばかり言ってみんなをなごませてくれるのだけれど、自分の旅のことになると、その表情は真剣そのものだ。
ケイさんの本を作りたい。
無職の身でありながら、やはりどこかに編集者の熱が残っているのだろう。ケイさんのしてきたことを世の中の人に知ってほしいし、その本を僕の手で作ってみたい。ケイさん自身、それを世界中の人々に伝えたいと望んでいる。
でもそれより前に、まずはケイさんのこれからの旅が無事に終わりを迎えられるよう応援したい。
日本を離れて6年。これからどれくらいの時間がかかるかは本人もわからないという。10年、あるいはもっと……、そう簡単に語るケイさん。
普段はほとんど野宿生活だから、ここで会えたことはかなりラッキーだった。
ケイさんに会えて本当によかった。
普段路上でする手品を披露してくれた。
日本の新聞記事。
海外の新聞記事。すでに多くの国で彼の旅は取り上げられている。
これが愛車のママチャリ。
エベレスト登頂の証明書。
エベレスト登頂写真。手持ちのカードにある「〇×〇×〇 to MAX」(トリプルゼロ トゥー マックス)は、海抜ゼロメートルから、お金ゼロ、エネルギーゼロ(人力のみ)で世界最高峰へ、という意味がこめられている。
こんな人だけど、ダハブゲームでは平気でウソを連発してます。
- 劇場で観賞 第3弾「バレエ」
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2007.09.23 Sunday日本を出発してから247日目
ただいま23カ国目
ハンガリーのブダペストにいます
今日は昼間にT君とゲッレールトの丘の麓にあるルダーシュ温泉に入りに行った。
ここの温泉は前回とは違い湯船が高温でサウナも温度設定が3段階にわかれている。やはり日本人は熱いお湯にかぎる。じっくり浸かり、休憩用ベッドに横になると、昨夜まったく寝てなかったこともあり、知らぬまま寝入ってしまっていた。
ブダペストの町並み
バスのオープンカー。
夕方からは劇場で観戦第3弾でバレエを観にいった。場所は国立オペラ座。またもや240円の席に陣取り、生まれて始めてのバレエを観賞する。
今回は「ギゼル」という演目だったけれど、ストーリーがいまいちよくわからず、出演者もちょっと足取りが乱れているように見えた。それでも舞台自体は楽しく、バレエがどういうものかがわかっただけでも来た甲斐があった。
夜中は恒例のダハブゲームをいそしんだ。最初はウソをついてもすぐに表情に出てしまったこのゲームも、慣れると何の動揺もなくウソがつぎつぎに飛び出していく。
うーん、おそろしい。
- 劇場で観賞 第4弾「クラシック」
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2007.09.24 Monday日本を出発してから248日目
ただいま23カ国目
ハンガリーのブダペストにいます
沈没中のブダペスト。最後の観光をしようと英雄広場に赴いたのだが、残念ながら今日は月曜日。ほとんどの博物館、美術館は休館で、結局何も見ないまま公園でビールを飲んで宿に帰った。
今日の昼飯はハンガリー料理。
まだ美術館、博物館に行くチャンスはあるけれど、もう市内観光はいいかなと思った。となると、あとの楽しみはやはり劇場での舞台観賞。第1弾オペラ、第2弾ミュージカル、第3弾バレエにつづき、今日は第4弾クラシックコンサートに足を運んだ。
中華食品店で買ったソウメンをT君と自炊し、あっという間にたいらげると、今日も夕方からオペラ座へ向かう。
今日の夕飯、ソウメンは美味かった。
今日はブダペストシンフォニーが演奏するらしいが、誰の曲をやるのかはさっぱりわからない。日本でもクラシックのコンサートには懇意にさせてもらっている指揮者の方に誘われてたまに行っていたのだけれど、今回は初の海外クラシック観賞。音楽のさかんな町(この町にはあの有名なリスト音楽院もある)でどのような演奏が聴けるのか期待も膨らむ。
コンサートは19時半開演。会場の雰囲気、演奏者の凛々しい姿、指揮者の貫禄、どれをとっても「なんだかすごそうだ」というイメージが勝手に頭の中にふくらんでくる。曲がはじまるとその演奏に知らず知らずのまま引き込まれていく。
演奏自体が日本で聴くものとどう違うかは素人の僕にはわからないが、とりあえず会場や出演者も含めた演奏の雰囲気、魅せ方は今まで体験したことがないような素晴らしいものだった。
オーケストラはオペラのときも、ミュージカルのときも、バレエのときも舞台の下からとして演奏が聞こえてきたけれど、やっぱり一流の一流は違うんだなと思った。
会場はこんな感じ。
コンサートが終わると、宿の仲間4人でそのままカジノへ。ヨーロッパではソフィアにつづき2カ国目の挑戦となる。
まずはブラックジャックでへこみ、次にやった電子ルーレットでも負けていたのだけれど、最後に誕生日の「17」に余っているチップを1点賭けで全部置いたら、本当に「17」がきて、結局トントンでおさまった。
これで帰ろうと思って適当に置いたのに……こういうことってあるんだなあ。
- 異国に住むということ
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2007.09.25 Tuesday日本を出発してから249日目
ただいま23カ国目
ハンガリーのブダペストにいます
今日はブダペストで宿泊中の日本人宿「アンダンテ」のオーナーの一人が日本から帰ってきた。彼はフェンシングの日本代表で、フェンシングの盛んなここハンガリーに武者修行にきて7年がたつという。
今回はハンガリー語の通訳としてハンガリーのフェンシングの先生とともに日本にいっていたらしい。
世界中で活躍している日本人は思いのほか多い。僕自身、日本を離れて異国に何年も住むというのは考えられないことなのだけれど、旅中に彼らと出会い話を聞くと、それもありなのかと思わされてしまう。
何も日本にいることがいいということはない。日本にいなければいけないということもない。そりゃ、両親のこともあるし、食事や文化の違いに滅入ることもあるだろう。
でも、実際住んでみれば価値観もかわるのかもしれない。
僕はこの旅が終わったあと、中国の北京で1年間滞在することを決めている。旅と滞在はやはり違うと思うし、旅ではなく異国の地でその国の言語をしゃべり、文化を理解し、同じ環境のもとで生活することがどういうものか、一度でいいから経験してみたかったのだ。
高校卒業後、僕は地元島根を離れて東京で暮らし始めた。東京生活も12年間味わったが、地元への愛着は増す一方だ。離れてみてはじめてわかった地元の良さも多い。僕は異国に住んでも日本が大好き、やっぱり日本がいいと思えるのだろうか?
とりあえず旅を始めてから今まで、日本を恋しいと思ったことはあまりないが……。(もちろん日本が嫌いとかいうわけではないのだが)
- 日本人宿ランキング
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2007.09.26 Wednesday日本を出発してから250日目
ただいま23カ国目
ハンガリーのブダペストにいます
只今、沈没中。今日は夜中にカジノに行って3000円負けた以外はただのんびりと時間を過ごした。
現在沈没しているブダペストの日本人宿「アンダンテホステル」は非常に居心地がいい。日本人宿もかれこれ20箇所近くまわっているけれど、それぞれに個性があって面白い。
というわけで突然ですが、特別書くこともなので、独断と偏見ありありの日本人宿ランキングを勝手に書かせていただきます。
1位 「WILDERNESS LODGE」(モロッコ、メルズーガ)
【寸評】宿のうしろがすぐサハラ砂漠。フランスで写真家をやっていた女性がこの地に惹かれて作った日本人宿。宿内の造りはすごくオシャレで居心地最高。屋上で星空を見ながら寝れるのは最高の贅沢。
2位 「ロサス7」(メキシコ、カンクン)
【寸評】宿もきれいで、オーナーのボヤきがいいかんじの宿。キッチンも使いやすく、洗濯もタダ。宿のみんなとビーチに行ったり、サルサを踊りにいった夜は楽しくて仕方がなかった。
3位 「アンダンテホステル」(ハンガリー、ブダペスト)
【寸評】無銭で世界を旅しているケイさんに出会った宿。オーナーのヨシさんは本当に親切な人で、もう一人のオーナーのヤマケンさんはフェンシングの日本代表。ネットフリー、キッチンタダ、洗濯タダ。劇場の案内なども丁寧にしてもらえる現在沈没中の日本人宿。
4位 「サファリホテル」(エジプト、カイロ)
【寸評】宿を出てじょじょに評価があがっていった。世界3大日本人宿といわれるだけあって、ここのメンバーは濃い。ぐだぐだしているのに、それがとても心地よいと思えてくるから不思議だった。宿内で色々なイベント(四つ並べ大会や納涼大会)があるのもここならでは。スタッフのアブドはとてもいい奴。
5位 「ペンション八幡」(ペルー、クスコ)
【寸評】マチュピチュの情報収集ができ、宿自体もすごく居心地がいい。オーナーの八幡さんのノホホンぶりも親しみがわく。なんと言っても、ここは書籍のラインナップが素晴らしい。僕の作った本が2冊置いてあったのには感動した。
6位 「カサカサ」(メキシコ、サンクリストバル)
【寸評】市内中心からやや離れているのが難点だけれど、管理人が20歳と25歳の元気な子で面白かった。宿内もすごく清潔、1泊の予定があまりに居心地がよくてバスチケットを破棄し、もう1泊してしまった。
7位 「クリフホテル」(ヨルダン、アンマン)
【寸評】この宿がいいところは何といってもスタッフにサーメルがいたところ。彼の日本人を愛す気持ちには心うたれた。この10月からサーメルは自分が中心になって管理できる「KODA HOTEL」に移籍する。みんなも中東一イイ人サーメルに会いに行こう。
8位 「シスターズイン」(ブルガリア、ソフィア)
【寸評】ネットフリー、キッチンも広くて使いやすい。思わず長居してしまったが、それでもまだ居たりない感じだった。スタッフの現地人もとても親切。
9位 「ペンション荒木」(ブラジル、サンパウロ)
【寸評】やや宿泊料が高いのが難点だったけど、荒木のおばちゃんはとてもいい人で、市内の観光地について詳しく説明してくれた。おばちゃんが作ってくれたピンガの味が忘れられない。
10位 「ヤガミホステル」(スペイン、マドリッド)
【寸評】最近、バルセロナにも2号店ができたらしい。洗濯タダ。卵と白米がフリーというのはとてもうれしい。場所も市内中央の好立地。
宿の良し悪しはランク付けなどすべきものではないとは思う。個人の好みもあるし、その時のメンバー、その時の自分の精神状態にも大きくかかわってくるからだ。実際、数日経てばその印象はまた変わり、順位も変動するだろう。でも、とりあえず自分勝手に書かせていただいた。
他にもいい日本人宿はあったし、日本人宿ではない日本人常宿にも居心地がいい所はいっぱいあった。これまでお世話になった宿のスタッフの皆さん、そこで出会った旅人のみなさん、どうもありがとう。