- キノコの町、ギョレメ
-
2007.08.25 Saturday日本を出発してから218日目
ただいま18カ国目
トルコのギョレメにいます
バスは早朝4時にカイセリに到着。すぐにギョレメに行きたかったのだけれど、ギョレメ行きのバスは7時までないという。
仕方なくバスターミナル内のバス会社をまわっていたのだけれど、探している最中にあるバス会社のおっさんに声をかけられた。
手招きして中に入れと言っている。何かと思って入ってみると、このおっさん、暇なのをいいことにインターネットでエロ動画を見て嬉しそうにニヤけているではないか。
なんだただのエロおやじか……。とは思ったものの、こちらも旅を始めてエロ動画など見る機会がないものだから、嫌でも興味をひかれる。時間もあることだし、そこにおじゃまして鑑賞会に参加することにした。
ひさしぶりに見る動画は新鮮だ。日本のものではないけれど、いい動画を探そうと、おっさんと一緒になって画面をクリックしていく。うまくつながって見れたときには無言でうなずきあう。んなアホなことを繰り返しているうちに、いつの間にか時間が過ぎていった。
気がつけば6時。コーヒーやお菓子までごちそうになって、すっかりくつろいでしまっていた。そろそろチケットを取りにいこうかと腰をあげ、チェックしていたバス会社に行ってみると、
「7時の便は売り切れたよ」
えっ、えーーー! しまった。
久しぶりのエロ動画に熱中しすぎてしまった。こんなことなら早くチケットをとっておけばよかった……。
仕方なく8時の便でチケットをゲット。さらに2時間待ってバスに乗り、9時過ぎにギョレメに到着した。
ギョレメ村につくと、まずはネット屋に向かう。先にこちらについているはずのヒロシ君がまだここにいれば、会えるかもしれない。
ネットを見ると、「ケレス ケーブ ホステル」という宿にいるらしい。それならその宿に行ってみよう。
宿はバスターミナルから少し山道を登ったところにあり、中に入ってみると優しげなおじさんが出てきて僕を部屋まで案内してくれた。
時計の針は10時をまわっていたので、ヒロシ君はもう観光に出かけているだろう。そう思って部屋に入ると……。
いた! ふとんをかぶって寝込んでいる。
なんでも風邪をひいて昨夜は39度2分の熱があったらしい。
4日連続国境越えなど、かなりハードなスケジュールをこなしていたので、そのツケがまわってきたのかもしれない。
しかも、ギョレメについたその日がギョレメの80日ぶりの降雨で、びしょびしょになりながら、近くを観光したらしい。
そりゃ、風邪ひくわ。
宿で薬をもらい、だいぶ回復したらしいけど。まだきつそうだ。とりあえず町までおりてヨーグルトとフルーツジュース、それにブドウを買ってきてあげた。
「いや、多分もう大丈夫です。お昼から一緒に観光します?」
「無理しないほうがいいんじゃない?」
「いや、大丈夫です」
本人が大丈夫というなら、大丈夫なんだろう。それならと、せっかくだから2人でスクーターをレンタルして近くをまわることにした。
イースター島でもスクーターに乗って島を一周したけれど、風を切って走るのは気持ちがいいし、なにより自由に移動できるのがいい。
6時間で1台20リラ(1800円)までまけさせて、二人乗りでカッパドキアを観光することにした。
カッパドキアと呼ばれる遺跡は結構広範囲に広がっている。ギョレメ村はその中央にあるのだけれど、いくつかの町にまたがってその遺跡はある。スクーターを飛ばして5,6箇所まわったのだけれど、今回は写真を中心にカッパドキアを見てもらうことにしよう。
宿のテラスからの眺め。カッパドキアの遺跡は町のなかにも入り込んでいる。
ローズバレー。ピンク色に染まった岩が美しい。
少し前まではこのような場所に実際に人が住んでいた。
ここの住居はかなりイビツな形だった。
今日の昼飯。野菜とチーズのサンドイッチです。
ローズバレーの間近まで行ってきました。
ヤッホー!
陶芸はアバノスの有名な産業となっている。
これがよく見るカッパドキア名物「チ○コ岩」。
上にカサが3つついている珍しい岩柱。
土産物屋。
ホワイトバレー。
一応スクーターで行ける近場はほぼ網羅した。夕方6時にスクーターを返すと、食材を買って宿に帰る。
ヒロシ君はさすがにお疲れ気味。今日は全部僕が自炊して夕食をすませた。
今日の夕飯。
ヒロシ君は明日に備えてそうそうに就寝。僕はのんびり読書して夜中の2時頃寝床についた。
明日はスクーターでまわれなかった場所をツアーバスでまわる。ここの遺跡は想像以上によかったので、明日の観光も楽しみだ。
本日のベストショット。
- カッパドキアをさらに観光
-
2007.08.26 Sunday日本を出発してから219日目
ただいま18カ国目
トルコのギョレメにいます
本日も昨日と同様、カッパドキアを観光する。昨日は近くの遺跡をスクーターでまわったのだが、今日はウフララ渓谷やカイマルクの地下都市など、スクーターでは回れない場所に行くためツアーを申し込んだ。
ツアー代金は50リラ(4500円)これは痛い出費だけれど、昼飯代と入場料込み、入場料も高いし、自力で行くのは難しい場所だったので仕方ないか。
今日も昨日にひきつづき写真中心で見てもらおう。
カイマルクの地下都市。ここはかなり巨大な地下都市だった。地下8階まであり、ところどころに地上から吹き抜けの小さい穴が空いていた。ここで生活していたといわれても頷けるほどの広さと部屋数があり、お祈りする教会のような場所もあった。
ウフララ渓谷をトレッキング。遺跡というより自然のきれいな場所だった。
水浴びする少女。ちょっと水は汚いけれど。
ウチヒサル。この岩窟住居はかなりでかい。とくに中央の大広間のような場所は集会ができるほどの敷地があり、階段で2階3階にものぼれるようになっていた。
この目玉のような飾りはこちらのお守り。
夕方6時にツアーが終わり宿に戻ると、宿のアフメットさんが料理をごちそうしてくれた。なんでも今日は、この家の子供のお祝いのパーティがあったらしい。
アフメットさんは奥さんが日本人で、日本で生活している。日本語はぺらぺらで、今回はその子のパーティのためにトルコに帰ってきたらしい。
何のお祝いか聞いてみると、
「チンコ切り切りパーティです」
という。
「はっ? チンコ切り切りパーティ!?」
アフメットさんに聞くと、「チンコ切り切りパーティ」とは8歳になった男の子があそこの皮を切り、これで一人前になったというのをお祝いするパーティらしい。
数日前に無事手術を終え、今日は親戚や近所の人が集まって、食事を食べたり歌を歌ったりしながら家でお祝いをやったのだという。
へぇー、そんなパーティがあるなんて、おもしろいなあ。
本日の主役、チンコ切り切り王子。
パーティの残った料理をわけてもらって腹を満たし、8時半の夜行バスに乗ってこの町をあとにした。次なる目的地はイスタンブール。ヒロシ君は別の都市に寄っていくのでまた一人旅になってしまった。
- トルコ人の家でメシをごちそうになる
-
2007.08.27 Monday日本を出発してから220日目
ただいま18カ国目
トルコのイスタンブールにいます
夜行バスがイスタンブールについたのは午前8時。そこから地下鉄とトラム(路線バス)を乗り継ぎ、日本人宿「ツリーオブライフ」に向かう。
ハイシーズの現在、宿はかなり混みあっているらしく、泊まれるかどうかわからなかったが、案の定、フルベットであった。
イスタンブールで再会しようと約束していたMちゃんとフロントで会って話をし、明日一緒に昼飯を食おうと約束をして宿を出る。
彼女は今日、トルコ人とデートをするらしい。しっかりトルコを楽しんどるなと思い、少し羨ましくもながらバックパックを肩に背負った。
バックパックを持っての移動は疲れる。次の宿候補「シンバットホステル」までは歩いて10分。なんとかしてここで決めないと次を探す気力がない。
フロントで聞くと、運良くドミトリーが空いているという。宿代はユースホステルの会員証をもっていたので割引してもらって8・5ユーロ(1360円)だった。
トルコでは料金のユーロ表示も多い。そして物価も中東と比べると格段に高い。その両方でいよいよヨーロッパが近いことを感じさせられた。
宿につくと軽く仮眠をとって、外にでる。町をフラフラ歩いていると、トルコ人が流暢な日本語で話しかけてくる。
「お元気ですか? ぼくは元気です。あなたはどこから来たのですか?」
なんとなく相手をする気になれなかったので適当に相槌をうって散歩をつづけた。
ブルーモスク。
「ツリーオブライフ」の前を歩いていると、一人の日本人が道端に座ってガイドブックを見ていた。話をすると、彼もこの宿に入れなかったらしい。
物価のいっきに上がったトルコでは宿代も高い。他が10ユーロ(1600円)くらいかかるところ、この宿は5ユーロで泊まることができるのだ。なんとかしてここに泊まりたい気持ちはわかる。
彼と公園に行き、これまでの旅のことやこれからの旅の情報交換をしていると、いつのまにか7時半を過ぎていた。「できたら今度会うときはツリーで」と言って別れ、宿に向かって歩を進めていると、またしても日本語で話しかけてくるトルコ人と出会った。
今度は暇だから軽く相手をしてやるかと思い、彼のあとをついて行くと、あるお土産物屋に連れていかれた。
ここの宿主であるオーメルさんは日本人女性と結婚してこの地で商売をしているらしい。日本語も流暢で、日本での仕事もいくつかこなしているという。
あまり深入りして土産物を買わされてはたまらないと、最初は様子を見ながら喋っていたのだが、次第に相手にその気がないことがわかり、日本のこと、トルコのことをざっくばらんに話し始めた。
「○○さんはお酒は飲みますか?」
「お酒は好きだけど、こっちは高いからなかなか買えないんですよ」
そう答えると、彼は宿のスタッフにお金を渡し、ビールを買ってきて僕にご馳走してくれた。
1本飲み2本目。2本飲み3本目。3本目もたいらげて話に熱がこもってきたところで、2人の日本人がお店に現れた。
2人とも旅人で、この店でオーメルさんと知り合い、遊びにきたようだ。
これからオーメルさんは地元の連中と草サッカーをやるという。旅人の一人J君もこのサッカーに参加するらしく、一緒について行くことにした。
オーメルさんはもともとトルコの下部リーグでサッカー選手をやっていたらしい。それ自体もすごいことだが、ビールを3本も飲んでサッカーをするのもすごい。
試合が始まると草サッカーなのにレベルが高く、トルコのサッカー人気を肌で感じることができた。
サッカーが終わると、オーメルさんは僕らを自宅に招待してくれた。日本人の奥さんが僕らのために料理を作ってくれているらしい。
時間も夜の12時を過ぎていたけれど、せっかくなのでおじゃますることにした。
奥さんはサバサバした感じのおおらかな人で、トルコ料理を日本人向きにアレンジしたような料理をいくつか出してくれた。
これは美味い!
中東の料理にはバリエーションがなく、いい加減あきあきしていたので、この料理は嬉しかった。
ソファでくつろぎ、しばらく話をすると、時計の針も1時半をこえていたので、おいとますることにした。
ギョレメの宿で出会ったアフメットもそうだったが、トルコ人男性と日本人女性はよく結婚している。その逆の日本人男性とトルコ人女性という例はあまり聞いたことがないけれど、それも分からなくもない。
街を歩いていても感じることだが、日本の女性はトルコ人にとにかくちやほやされる。トルコ人が日本人女性に食事をごちそうしてくれたり、物を買ってくれたりというのはよくある話だ。
女好きなのか、女性に優しくするのが文化なのかはわからんが、そういうストレートなアプローチに日本人女性は弱いのかもしれない。
夜中の2時ごろ宿に戻ると、同じドミトリーにいる日本人がまだ起きていて、ロビーで話をしていた。
「あれ、遅いですねえ。どうしたんですか?」
「いや、トルコ人にビールとメシをごちそうになっちゃって……」
「初日からイスタンブールを満喫してますね」
「まあ、そうなるのかな。でも、なんかトルコ人のこと、いろいろ分かった気はするけど……」
そのあたりのことは明日からのブログで詳しく書いていきたい。
- 学生パッカーは高学歴
-
2007.08.28 Tuesday日本を出発してから221日目
ただいま18カ国目
トルコのイスタンブールにいます
イスランブール2日目。今日はヒロシ君がイスタンブールにやってくる。彼も僕と同様、「ツリーオブライフ」に泊まろうとしているのだが、彼は数日前に今日の予約をいれていて、運良く宿に入れたらしい。
昼メシはMちゃんの送別会も兼ねてトルコ料理を食いに行くことになった。
ヒロシ君も加わり、3人で地元の安食堂へ行くと、中東にはない色いろなバリエーションの料理が並べられていた。
昨日のブログにも書いたけれど、これは正直嬉しい。たらふく食って、腹を満たし、昨日お世話になったオーメルの店にいって話をしたあと、ツリーに戻ってMちゃんの日本帰国を見送った。
Mちゃんを見送ったあとは、ヒロシ君とグランドバザールに行った。ここはお土産物が中心の観光客向けの市場になっていて、敷地もかなり広い。
ただ、店数は多いのだが、同じようなものばかり置いてあり、値段も高くてなかなか手が出せない。
トルコは観光産業がさかんなので、ここで物を買う観光客も多いのだろうが、よくまわってみると、バザールの外の店のほうが値段が安い。これは今までまわった国ではなかったことだ。というわけで、あまりここに来る意味はないかもしれない。
トルコ人はこちらの顔を見てバカにしたような値段をふっかけてくる。面白半分で日本人をバカにしたように声をかけてくる輩も多い。終いにはこちらが提示した金額を聞いて「シッシッ」と追い払うような仕草をしてくる奴までいる。途中ですっかり気分を害し、オール無視でバザールをあとにした。
そのあとはライトアップされた夜のブルーモスクを見に行った。イスタンブウールのモスクはここ以外もかなりりっぱなものが多い。トルコ人の99パーセントがムスリムと聞くからそれも頷けるが、その割には格好も肌を露出し、ビールも普通に飲んでいる。
外から色んな文化が入ってきて、なんちゃってムスリムになってしまったのだろうか。
何となくトルコ人に嫌気がさし、ヒロシ君と別れて宿に戻る。ヒロシ君がツリーに泊まっているので、明日空けば宿を移動しようと思っているのだが、実は今泊まっている「シンバットホステル」を僕はけっこう気に入っている。
宿自体が好きというわけではないのだけれど、同じドミトリーに泊まっている日本人3人がみんないい奴で、話していてとても楽しいからだ。
3人とも学生で、大学の休みを利用してこの地に旅をしにきているという。一人は東大生、一人は京大生、一人は同志社という高学歴の持ち主だ。
そのくせ変なプライドもなく、こちらが旅の話をすると食い入るように聞いてくる。
学生が旅をするのは、金銭的にも経験的にもきついものがある。それを克服し、自分の好奇心に従順に突き進んでいけるというのはよほどの強い意志が必要だろう。普通は仲間とつるんだり、手近な遊びに金を使いたい年頃のはずだ。
彼らはある意味、すごく素直だ。だから、人の話に耳を傾けることができる。そして自分が次になにをやりたいか、それを達成するためには何をすればいいかをわかっている。
高学歴だからそうだというわけではないが、これまで会った学生パッカーも高学歴の人間が多かった。上智大学を2年終了時で休学して南米を1年旅していたJ君、オックスフォード大学にも留学していた慶応ボーイのK君も今後の人生プランをしっかりもっていた。
彼らはすごい。きっとこれからの日本を背負っていく人材になるだろう。
僕なんて、学生時代は東京に出てきたことにすっかり浮かれて、バイトで稼いだ金で毎日飲み歩いていたというのに……。
- 自炊の意義
-
2007.08.29 Wednesday日本を出発してから222日目
ただいま18カ国目
トルコのイスタンブールにいます
今日は午前中に「シンバットホステル」をチェックアウトし、「ツリーオブライフ」に移動した。
前の宿も気に入っていたのだけれど、今回の宿は宿代も安いしキッチンも自由に使える。物価の高いトルコでこれはでかい。
ただ、いかんせん宿泊者が多すぎる。日本人宿でもあまりに人数が多いと、そのすべてを把握できない。また、長期宿泊者がいたり短期宿泊者がいたりしてグループができあがるので、みんなで仲良くというのが難しくなってくる。
その影響なのかなんなのか、この宿では団らん室で漫画を呼んでいる旅人が非常に多い。僕も漫画は大好きなのだが、こういう場で漫画を読むのはあまり好きではない。
せっかく目の前に人がいるんだから、そっちと話したほうがずっと面白いからだ。漫画を読んでいると、話しかけずらくなってしまうではないか。
というわけで、今日でイスタンブール3日目。なんかココにきて、やる気がしない。昨日一昨日の2日間でトルコ人に抵抗感を覚えるようになったのが原因だと思うが、まったく観光する意欲が湧いてこない。
午前中に宿移動が終わって時間はたっぷりあるというのに無気力状態に陥って、あろうことか普段読まない漫画を読んでしまった。
で、唯一やる気になったのが自炊。久しぶりにキッチンが自由に使える喜びのほうが観光意欲を上回ってしまった。
夕方、早めにスーパーにいってヒロシ君と食材を買い込み、調理を始める。今日のメニューはニラレバ炒め(ニラがないので実際はネギレバ炒め)、焼きナス、味噌汁、白米。
少ない種類の食材と数少ない調味料をうまく使って、安く手早く作るのが海外での自炊の面白いところだ。
海外では栄養も片寄るし、同じものばかり食べていると飽きがくる。日本は恋しくならなくても日本食は恋しくなるし、何より自炊をすれば外食するよりもずっと安くあがる。
物価の高いトルコでは外食すると1食500円くらいかかるのだけれど、自炊なら一人200円くらい。人数がいればもっと安くすませることができる。
そういうこともあって、料理の得意な旅人は多い。僕も学生時代、飲食店でずっとアルバイトしていたので、切ったり炒めたりというのはできるのだけれど、いざ作れと言われたら、レシピなしでは作れない。
ない食材を他のものでどう補えばいいかというところがさっぱりわからないのだ。
ブログ読者にはどうでもいいことだが、今突然、自分のなかで盛り上がったので、ここで旅人料理人ランキングを勝手に書かせてもらう。
1位 ハナちゃん
メキシコのカンクンにある日本人宿で一緒になった。みんなで自炊したのだが、なんでも美味く料理してしまう。どうしてこの食材でこの味が出せるのか不思議で仕方なかった。
2位 Nさん
クスコでの200万円返済パーティのときに鍋を作ってくれた。彼は自分ひとり用の料理でもいつも美味そうなものを作っていた。
3位 S君
彼の本気の料理を実はまだ味わったことがない。カイロ、イスラエルでその実力は垣間見たのだけれど、秘めたる実力は闇の中。早くイスタンブールに来て得意のカレーをごちそうしてくれ。
この3人にはお世話になった。3位のS君にはもっと世話してもらわんといけんけど……。
もうひとつ大事なことが。自炊は美味いがいいに決まっているけれど、みんなと一緒にワイワイ作るところに意義がある。
料理の上手い人にまかせてあとは何にもしないんでは意味がない。自炊をみんなでやるということは、仲良くなるのに一番手っ取り早いからだ。
あと、ヘタクソ同士で作るのも結構楽しいもんである。
そういう意味では、ヒロシ君と作った今日の料理は、お互いそんなに料理が上手いわけでもないので、わいわい作れて面白い。出来てみるまで、その味が見当つかないからだ。時々失敗もあるけれど、そのぶん成功したときの喜びも倍になる。
ちなみに今日の料理、かなり美味かったです。
- トルコ風呂でキレる
-
2007.08.30 Thursday日本を出発してから223日目
ただいま18カ国目
トルコのイスタンブールにいます
観光意欲のなくなった僕だが、観光ではなく地元の人の生活感を味わうというところには興味をもっている。
というわけで、今日は地元民が利用する「木曜バザール」とトルコ風呂という名で知られている「ハンマム」に行くことにした。
木曜バザールは毎週木曜日に開かれる市場で、宿から歩いていけるところでやっていた。野菜や果物などの食材を中心に衣類や雑貨も売っているらしい。
市場の手前では地元の子供たちが元気よく遊んでいた。
やっぱ、こうでなくちゃ。
つぎに市場の並んでいる通りに出たのだけれど、どの道にいっても市場はつづく。かなり広範囲にわたってこの市場はひらかれているようだ。
とりあえず、今日も自炊をする予定なので、野菜を買いながら市場をまわる。やはりこちらのほうが現地人の臭いと温度が感じられていい。写真を撮っていてもいい画がとれる。
ただ、ここは野菜や果物がすべてキロ単位で料金表示してある。店によっては小分けで売ってくれるのだけれど、だいたいの店ではキロ単位でしか売ってくれない。
売ってくれないだけならいいのだけれど、お願いした瞬間に「シッシッ」っと、あっちにいけという手振りをされる。しかも2度だ。
いかにもバカにしたそぶりが頭にくる。トルコ人のなかにもいい人はたくさんいるのだろうけど、こういう奴らはこちらをなめてかかっている。
女性に対してはこういうことはしないだろうが、なめてかかっているという点では同じだろう。
ああ、また外にでるのが嫌になった。
夕方6時、ヒロシ君と今度は「ハンマム」に行くことになった。
バスに乗って地元民の使う安いハンマムに到着すると、そこは思いのほかキレイな造りをしていた。
サウナとマッサージ(垢すり)で10リラ(900円)。最初に金を払い、個室の着替え部屋に通される。服をぬいでタオル1枚になり、まずは流し場に入る。
流し場は広く、中央に横になれる大きな台があり、部屋の周囲にはシャワーと流し台が並んでいる。別室には日本にあるのと同じような木造のサウナ室があった。最初にここで身体を洗ってからマッサージをしてくれるようだ。
身体を洗っていると、マッサージのおっさんがやってきて、2人ともこっちに来いという。まだ身体を洗っているから待ってくれといっても、いいからこっちに来いという。
仕方なく別の部屋に入り、言われるままに横になると、身体に泡をつけて洗い出した。
そのやり方がとにかく雑。力まかせに強引にひっぱり、何度も背中をパチンパチン叩く。痛いからやめろといっているのにいっこうにやめようとしない。背中を洗ったかと思えば、強引に力でひっくり返して腹を洗う。
1分ほどで、ヒロシ君と交代し、同じ所作が行われると、今度は僕を座らせて、垢すりをはじめた。手に垢すり用の手袋をはめてこすると、アカが嘘のようにまるまって落ちていく。
うわ、そんなにきつくこすってないのに、なんだコレ! こんなに垢って溜まっていたのか。ちゃんと洗っていたはずなのに……。
こんな感じでとにかく雑。明らかにわざとやっていた。
洗い終わると、洗面器を使って顔に投げかけるように水を放る。流したと思ったら、またヒロシ君と交代だ。ヒロシ君はあまりに強引にひっぱられ、頭を壁に強打してしまった。痛がるヒロシ君にまったく気にするようすもなく、垢すりはつづく。1分ほどこすって水で流すと、
「OK、フィニッシュ!」
えっ、なんだそりゃ。
まだ1人2分くらいしかやってもらってないぞ!
「さあ、終わりだ、向こうへ行ってくれ」
指差されたのは着替え室。ろくにマッサージもしてないくせに。それにまだサウナにも入ってないのに帰れというのか!
「ふざけんな! バカじゃねえの、お前。俺らをなめるのもいいかげんにしろよ」
日本語でいっきにまくしたてた。
ここ数日、トルコ人に対して溜まっていた怒りが一気に噴き出した。
明らかに僕らをなめている。隣でマッサージをやってる地元のトルコ人は10分以上時間をかけて、丁寧にマッサージと垢すりをやってもらっているのに、こっちは1人で2人を相手にして、2人合わせてたったの4分。
これだからトルコ人は嫌なんだ。やり方がいやらしい。
日本語で文句をまくし立てたあと、相手を睨みつけた。おっさんは何食わぬ顔で向こうに行ってしまった。
こんな奴とはもう関わりたくない。
まだサウナが終わってないといってゆっくりサウナに入り、あとは着替え部屋で1時間以上くつろいでいた。
今日はトルコ人の最悪な部分にもろにあたってしまった。トルコ人がみんな嫌だというわけではもちろんない。初日に会ったオーメルさんのようないい人もいる。が、今回の旅ではもう顔を合わせるのも嫌だ。本当に観光するのは今日で終わりにしよう。
予定では明日、旅仲間のS君がイスタンブールに来るはずだ。次の目的地ブルガリアのソフィアへは1日の夜行バスのチケットをすでに入手している。残る2日は宿でのんびりしながらS君とビールでも飲んでいよう。
宿に戻り今日も自炊しました。今日のメニューはポパイバター、ズッキーニとソーセージの炒め物、それにほうれん草の御浸しと白米だった。
- イスタンブールに中東メンバー集結!
-
2007.08.31 Friday日本を出発してから224日目
ただいま18カ国目
トルコのイスタンブールにいます
今日は午前中、エジプトからレバノンまでを一緒に旅したS君が「ツリーオブライフ」にやってきた。
彼とはなんだかんだで1ヶ月半くらい一緒にいたのだけれど、よきゲーム友達(四つ並べ、バックギャモン)であり、よき酒飲み友達だ。
とりあえず近くの店にイスタンブール名物のサバサンドを食いにいく。これがなかなか美味い。
腹も満たされたし、これから何をしようかということになったのだけれど、明日には僕がブルガリアに出発するのでまた離れ離れになってしまう。それなら久しぶりだし酒でも飲もうということで、帰りがけにスーパーでビールとワインを買ってきて昼間から酒盛りをすることになった。
こういう馬鹿な酒飲み友達がいると楽でいい(これ、かなりの褒め言葉ですよ)。「とりあえず酒」、なんていい響きなんだろう。
サバサンド。
夕食はこれまた久しぶりに一緒に自炊。ヒロシ君もまじえての3人そろっての自炊はイスラエル以来だ。
今夜のメニューはトマトリゾット、ポテトサラダ、野菜炒め。もちろん酒は大量に買い込んできて、久しぶりの再会で盛り上がった。
食後はもちろん四つ並べとバックギャモン。両方のゲームの師匠であるS君はかなり上級者レベルだけれど、四つ並べのほうは実力伯仲。最近の勝率は僕のほうがいい。そろそろ師匠越えを果たしたかもしれない。バックギャモンはまだまだS君には及ばないけれど……。
3人でゲームをして遊んでいると、見知った顔が宿に現れた。ヨルダン、イスラエル、シリアで一緒だったMねえさんと、ヨルダンで一緒だった若者M君だ。
2人はシリアでたまたま合流したらしく、しばらく見ぬ間にいい師弟関係を築いていた。この宿がいっぱいで別の場所に泊まっているけれど、僕らの顔を見にやってきたらしい。
久しぶりの再会。
中東をともにした5人がこんな場所で再会するとは。しかも中東最後の夜に……。これも何かのめぐり合わせだろう。
Mねえさんとは久しぶりにバックギャモンをやって勝利。罰ゲームとして、来年僕が滞在する予定の北京に遊びにこさせることにした。
明日の夜には中東を脱出する。イスタンブールではあまりいい思い出がなかったけれど、今日だけは特別な一日だった。
- 中東脱出! いよいよヨーロッパへ
-
2007.09.01 Saturday日本を出発してから225日目
ただいま18カ国目
トルコのイスタンブールにいます
早足だった中東の旅も今日で終わり。夕方の夜行バスでブルガリアのソフィアに移動する。
昼メシをヒロシ君とS君と食ったあと、宿でビールを飲んでしばし休息(今日も昼間っからビールですいません)。僕の場合、移動中は早寝、熟睡できるのでその前は寝てなくてもいくら疲れても平気。ちょっと飲むはずが結構昼から飲んでしまって、いい気分で宿を出た。
S君とはなんだかんだで長い間いっしょだったのでこれでお別れ。ひょっとしたらアジアでまた会うかもしれないけれど、そこはお互いB型なのであまり期待できないだろう。
まあ、日本では必ず再会するけれど。
途中、ビールの影響でトイレに2回行きながらもなんとかバスターミナルに到着。バスの中ではブルガリア人の6歳くらいの少女と隣り同士の席になり、手品をしたり、絵を描いたり、折り紙をしたりして遊んでいたのであっというまに時間が経った。
子供と遊ぶのは楽しい。自分の子供はまだまだだけど、こうして遊んでいると自分は本当に子供好きだと思う。
異国の子とこの旅中に1日デートしたいなあ。男の子でも女の子でも。一緒に公園で遊んだりお菓子食ったり……。
もちろんアッチ系の趣味ではないのでご心配なく。