- シリア入国
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2007.08.18 Saturday日本を出発してから211日目
ただいま16カ国目
シリアのダマスカスにいます
今日は移動日。サーメルともお別れしてクリフホテルを出ると、日本人3人、韓国人1人のパーティでシリアのダマスカスを目指した。
タクシーでバスターミナルへ行き、そこからバスでヨルダンボーダーへ。ボーダーの手前でバスは止まり、そこからタクシーで国境まで行って降ろしてもらったのだけれど、いざ国境に入ると、歩いての国境通過はできないという。
乗せてもらったタクシーはすでにいない。どうしようもなく困っていると、そこに通りかかったヨルダン人のおっさんが、シリアに行くから乗せてくれるという。
国境の警備員も仕方ないだろうということで、特別にそれを認めてくれ、そこでシリアビザをとって入国。シリアビザは正規のものが20ドル、トランジットビザで3日間滞在可能なものが8ドルで入手することができる。
このあとレバノンに行く予定なので、ここはトランジットビザで入国することにした。
一緒にいた韓国人女性のリーはトランジットビザで24ドルもかかってしまった。正規ビザだと30ドル。日本と韓国でこれほどの違いがあるらしい。
少し前に一緒にまわっていた在日韓国人のP君も韓国パスポートを使っていたけれど、話を聞くと、韓国のパスポートは日本のパスポートとくらべるとかなり不都合が生じるらしい。ビザが必要になったり、入国しにくかったり、料金が高かったり……。
日本人で世界一周をしている人間はたくさんいるが、それはただ金銭的に恵まれているだけではなく、多くの国と友好関係を築いていることが旅をしやすくさせてくれているのだと思う。
これだけ旅しやすい国は他にないのではないだろうか。世界中のすべての国をまわった人が日本人で4人いるらしいが、他の国の人ではいくらお金があっても、体力や言語力があっても、入国できない国があってその可能性は極めて少ないだろう。
日本人に生まれてよかった。これは身にしみて思う。やりたくてもできない人が世界中には山ほどいるのだ。
ヨルダンからシリアに入国すると、バスでダマスカスまで行き、そこからタクシーでセントロに向かった。
泊まる予定だったアブダビホテルがいっぱいだったので、近くのアルサダホテルに宿をとった。ドミトリーで1泊250シリアポンド(600円)だ。
とりあえず移動で疲れたので、今日のところは宿でのんびり。夜中にみんなで近くに飯を食いにいったあと、韓国人女性のリーと夜中の町を散歩しにいった。
リーはやたらコーヒーが好きで、カフェを見つけるたびに立ち止まる。僕もちゃんとした店でコーヒーを飲むのはとんとご無沙汰していたので、久しぶりにカプチーノを飲んで癒された。
今日の夕飯。シリア料理。
こちらのパンはやたらでかい。
ダマスカスの夜。
- マウイヤドモスク
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2007.08.19 Sunday日本を出発してから212日目
ただいま16カ国目
シリアのダマスカスにいます
今日はダマスカスの旧市街を探検した。明日の朝、レバノンに移動しなければトランジットビザが切れてしまうので、今日がダマスカス最後の日ということになる。
宿から歩いて10分のところに旧市街はある。途中、道に迷って困っていると、自転車をひいたお茶売りのおっさんが案内してくれるという。一応注意を払いながらあとをついていってみると、ちゃんと旧市街に着くことができた。
「これからどこに行きたいんだい?」
そう聞かれて、
「いや、ここで大丈夫です」
と答えると、わかったと頷いて、チップも要求せずにそこでお茶売りを始めてしまった。
シリアに入ってまだ少ししか時間がたっていないが、ここの人はとても親切だ。チップを要求したり、しつこくつきまとったりすることがほとんどない。物価も安いし、この国、なかなかいい感じだ。
旧市街ではまずモスクに行くことにした。どうもここのモスクは世界3大モスクに数えられているらしい。(あとの3つはたしか、この前いったイスラエルの岩のドーム、あとはサウジアラビアとエチオピアにあるらしい)
入り口のところで警備員に呼び止められた。どうもチケットをどこかで手に入れなければいけないらしい。
どうしようかと戸惑っていると、よこにいたシリア人女性3人組が、
「この子たちは私たちと一緒にあちらの出口から出るだけ、移動のために通るのだからいいでしょ」
というようなことを話してくれて、そのまま中に入ることができた。
シリア人、ここでも親切な人に助けられた。
一緒にいたM(通称ねえさん)はネズミ男のような服を着せられていた。本人は、「これじゃ、ネズミ小僧だわ」なんて天然ぶりを発揮していたけれど……。
マウイヤドモスクは世界4大モスクと言われているだけあって、荘厳なたたずまいをしていた。敷地もかなりでかく、しっかり整備されていた。
モスクのなかにも初めて入ったのだが、隅のほうで居眠りしている輩もいれば、中央で涙を流しながらお祈りしている信者もたくさんいた。
イスラエルで聖墳墓教会に行ったときと同じような光景だった。世界中には敬虔な信者がたくさんいる。日本であまり目にしないだけに、毎回困惑してしまうが、世界ではこれが当たり前なのかもしれない。
そのあと、一番楽しみにしていたスークにいったのだけれど、ここのスークはそれほどでもなかった。規模はけっこう大きいのだけれど、道が広くて人の臭いが伝わってこない。
品物もおみやげ物や貴金属系が多くて、見て、感じて楽しめるような場所ではなかったような気がする。
こちらは裏どおり。こっちのほうがいい感じ。
夕食を食べたあと、カフェでビールを飲みながらシーシャをしていると、レバノンから一足さきに帰ってきたヒロシ君とMちゃんがやってきた。
「ブシャーレ、すごくよかったですよ。ぜひレバノン杉を見に行ってくだっさい」
明日はレバノンに出発する。ブシャーレは全然予定に入っていなかったけれど、面白そうなので行ってみようかな。旅仲間の情報で予定を変更するというのも旅の醍醐味なので。
- テロの影響でボーダー封鎖
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2007.08.23 Thursday日本を出発してから216日目
ただいま17カ国目
シリアのハマにいます
朝8時半。僕を乗せたバスはトリポリに向かった。宿主のトニーとその家族、シカラ少年、リタ、ヘンド、ラーニン……。
たった2日でいろいろな人にお世話になった町、ブシャーレ。レバノン杉だけが目的で来た町で、こんなにも出会いがあるなんて。
バスの車窓からブシャーレの町を眺めながら、この町にこれたことに感謝した。もう一度来たいな、この町に。
今日の予定はまずトリポリに行き、ハムス(シリア)行きのバスで国境を越える。ハムスについたらすぐに乗り換えてハマに移動し、その日のうちにハマを観光するはずだった。
はずだった、ということはつまり予定どおりにいかなかったのだが、これが結構やっかいで、おかげでタフな僕もかなり疲れた。
原因は一昨日テレビで見たテロの影響で、北の国境が封鎖されていたからだ。トリポリからハムス行きのバスは運行しておらず、トリポリからいったんベイルートまで戻り、そこからダマスカスに移動しなければならない。
つまり、ここまで来た道を引き返し、ダマスカスからハマを目指さなければならなくなったのだ。
ブシャーレ→トリポリ(バス)
トリポリ→ベイルート(バス)
ベイルート→ダマスカス(バス) ※途中で国境越え手続き
ダマスカス→ハマ行きバスターミナル(タクシー)
バスターミナル→ハムス(バス)
ハムス→ハマ(ミニバス)
ハマ→宿(タクシー)
これが本日の移動。6回乗り換えて、ハマの宿に着いたがのは夜中の11時半を過ぎていた。
レバノン・シリアボーダーがかなり混んでいたことと、ハマ行きのバスに乗ったのに突然ハムスで降ろされ、ミニバスに乗り換えさせられたことでさらに時間をくってしまった。
唯一の救いは、ダマスカスからバスターミナルまでの移動で親切なシリア人男性がタクシー料金をおごってくれたこと、ハマ行きバスの休憩所でたまたまそのシリア人と再会し、そこでまたアイスクリームをおごってもらったことだった。
彼には悪いことをしてしまった。「お金がないからタクシーには乗れない」と言ってしまったせいで、気を遣わせてしまったらしい。
何はともあれ今日中にハマには到着した。調べておいた「カイロホテル」で一番安いルーフ(屋上、360円)に寝床を取ると、早々に眠りについた。
ああ、今日は疲れた。
- ハマの水車
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2007.08.24 Friday日本を出発してから217日目
ただいま17カ国目
シリアのハマにいます
今日は7時に起き、昨日まわる予定でまわれなかったハマを早朝観光した。
朝いちの観光は気持ちいい。とくにこの町の観光は朝にかぎるかもしれない。理由はこの町の名物が「水車」だからだ。
屋上のルーフが昨夜の寝床。
ハマは小さな町で、町の河川沿いにはいくつかの水車がまわっている。朝のひと気のない時間帯に水車の可動音と水音を聴くというのはなかなか気持ちのいいもんだ。
河川沿いに歩いて水車をめぐり、帰りは街中のまだひと気のない通りを歩いて帰る。2時間ほどで周り終えると、宿に戻って荷物をまとめ、早々に次の目的地アレッポに移動した。
結局、昨日の深夜11時半について翌日の10時にはバスの中。ハマは約10時間の滞在で終わってしまった。
河川沿いの公園。
これ、ハマの警察署。
アレッポに着いたのは正午頃。とりあえずここからトルコに抜ける夜行バスを探して、出発までの時間にアレッポ観光をしようと考えていたのだけれど、ここでも予想外のハプニングが起きてしまった。
というか、単に僕が見落としていただけなのだけれど、今日は金曜日だったのだ。
ムスリムでは金曜日が休日となる。アレッポといえばアレッポ石鹸とスークで有名なのだけれど、そのスークも金曜日はほとんどの店が閉まってしまう。アレッポ石鹸もスークが休みでは手ごろなものを入手するのは難しそうだ。
どこかに1泊して明日まわればすむ話なのだけれど、今日中にシリアを出なければ、28日の便で日本に帰るMちゃんとイスタンブールで再会できない。スークが見れなかったのは残念だけれど、アレッポはあきらめて移動することにした。
トルコでの最初の目的地はカッパドキアで有名なギョレメ村。あいにくアレッポからギョレメ村までの直行便がでていないので、とりあえず国境を越え、トルコの国境町アンタキアに移動するすることにした。
アンタキアからは夜行バス。これもギョレメへの直行便はなく、隣町カイセリ行きに乗り込む。
カイセリからギョレメ村までは1時間くらいなので、明日の早朝にカイセリに着き、午前中にはカッパドキアに到着するだろう。
たぶん相棒のヒロシ君は一足先にそこに着き、観光しているはずだ。ひょっとしたら1日くらいかぶるかもしれない。
とりあえずトルコへの国境越え成功です。